未完成恋愛シンドローム - Crazy Children --16
「・・?」
「んじゃ、止めよっか」
「・・・は?」
―なんでそうなる・・?
「だって、嫌なんやろ?」
「いや、それは自分でケツ広げろなんて言うから―」
「イヴが嫌がってんのに、ムリヤリ続けられへんし・・」
「って、あんたこないだムリヤリ」
「しゃーないよなー・・」
言いながら、ズレた下着や袴を履き直していくコタロー。
―ちょっ、
「つか、さっき自分も気持ちよくなりたいって―」
「えーよ別に。家帰ったらオナるし」
―こいつ・・
「・・・・・」
「ほら、イヴも早よズボン履かな風邪引くで」
「・・・あんた、ほんまに性格悪いな・・・」
そう言った声は、怒りなのか呆れなのか自分でも判らない程混乱していて―
「・・広げればええんやろ、広げれば」
続けて発した言葉は、明らかな諦めが入っていた。
「ん・・・・」
膝立ちになり、コタローに背を向けた体勢のまま、手を後ろに回して尻を左右に割り開く。
―なんでこんな恥ずかしい格好・・
なにも遮るものがない状態で、外気に曝された肛門がスースーする。
「イヴー」
「・・なに?」
こんな体勢をさせられてるこっちの気持ちなどまるで頭にないのか、いつも通りのコタローの声に怒りすら覚える。
「あれから、お尻いじったりした?」
「・・・!」
唐突な質問に、言葉に詰まる。
「ん?」
「・・・・してる訳ないやん」
まさか、毎日みたいにしてるとは言えず、辛うじてそう答える。
「そっか」
「・・・・」
コタローの視線が痛い。
「イヴが広げてるから、皺が何本あるかまでよく判るで」
「おまっ・・!」
「ペロッ」
「んひゃっ・・・!」
流石に振り返ろうとした瞬間、生暖かい感触が穴の周りを謎った。
「汗の味がする」
「っ・・変態か・・・っ!!」
「ぴちゃっ、ペロッ」
「んふ・・ぅ、あ・・・っ」
コタローの言葉に反応して、オレがなにかを言おうとする度に、舌が割れ目をなぞっていく。
「っていうか・・・おまっ、舐め・・くぁっ」
「んー?れろっ、ぺろ・・・ちゅぷっ」
「ひっ・・・・!」
今まで、周りを舐めてるだけだった舌が、穴の中に入ってきた。
「ちょ・・・」
―これ、指と全然ちが・・・っ
「ぴちゅ・・・イヴ」
ズルりと舌が引き抜かれ、コタローが口を開く。
「あ・・・・?」
荒い息をつきながら、辛うじて反応する。
「ほんまにお尻いじってないん?」
「なっ」
鼓動が急に早くなった気がした。
「・・なんで?」
言葉の上では冷静を保ちつつ、聞く。
「なんか、前より柔らかい気ぃするけど」
・・・・。
―こいつ、リアルに変態な気がする。
普通覚えてないだろ、んなこと―
「・・アホか」
なんとか言葉が出た。
「3回目やし、少しは慣れたんちゃう・・?」
我ながら苦しい言い訳だとは思うけど―
「そっか」
納得したのかしていないのか、それ以上の追及は来なかった。