愛しい君に、誓いのキスを-2
「朔さんって、いつもいい匂いがしますね」
夕はニコニコしながら、そう言った。
「匂い?僕、なにか匂いがあるの?」
くさいかな?フンフンと、僕は袖をにおう。
「ふふっ。いつも柔軟剤のいいにおいがしますよ」
夕は、トン、と僕の胸に顔をあててきた。
僕の匂いをかいでいるらしい。
「くふふっ いいにおーい」
「んー、よくわからないけど、それはよかった」
今日は日曜日、晴天。
僕らは何かをするでもなく、部屋でのんびりと過ごしていた。
大抵、週末は、僕の部屋に夕がやってきて、一緒に過ごす。
ちらっと、夕を横目で見ると。
コロコロと、ベットの上で、転がっている。
…日向ぼっこをしている猫みたいだ。
「いいお天気ですね〜」
「洗濯日和だな」
「ん?洗濯物が見あたりませんが?」
クリッとした、茶色の目でこっちを見てくる。
「んー、これから洗濯しようかな」
仕方なく、ベッドから起きあがり、服やらタオルを、洗濯機に放り込む。
―ピッ。ガタン、ゴトン。
洗剤と、夕曰く、お日様の香りのする柔軟剤をたっぷりと入れて。
さて。
洗い終わるまで、しばし休憩だ。
せっかく起きたはずなのに、結局ベッドに戻ってしまった。
「夕、そんなにコロコロ転がっていたら、僕の場所がないじゃないか」
「むむ。仕方がないですね、少し寄って差し上げますよ」
と、夕はベッドの端の方に、転がっていった。
「いや、これ、僕のベッドだから」
横になりながら、ツッコむ。
「…ばれてしまいましたか」
へへっと、夕は、顔をくしゃっとしながら、笑った。
「まったく。…こっちへおいで?」
呼び寄せると、素直に夕はやってきた。
クリクリした、その瞳の中には、僕が映っていて。
ポッと、ほっぺたに赤みがさす。
そっと、おでこに唇を寄せると、夕は少しくすぐったそうにして、目を閉じた。