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僕らの関係 プロローグ きっかけ
【学園物 官能小説】

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僕らの関係 学園祭-1

 朝のホームルーム。教壇に幸太が立ち、由香が黒板に向かって催しものの候補を書く。
 軽喫茶、お化け屋敷喫茶、仮装喫茶、ジャズ喫茶、アスレチック喫茶、漫画喫茶etc……。「喫茶」というキーワードに個性を出そうとするも、どれも二番煎じに聞こえてしまう。

「他に何か案はありませんか?」

 かといって案も出尽くした感もあり、また大半の生徒は各々の部活の準備もあり、積極的ではない。
 そもそもクラスでの出し物の予算は限られている。喫茶といってもせいぜい近くの業務用スーパーから仕入れたものを温め直すか、コップに移すだけ。それに比べると部活動、特に運動部は部費獲得のチャンスとばかりに、力のいれようが違う。
 バスケ部は伝統の焼きうどんで近所のお年寄り、OBなどに安定した集客を誇り、バレー部はテレビ番組の企画を盗用したゲームで地元の中学生を集めている。

「はーい」

 そんな中、能天気な声と共に大きく手を振る女子一名。

「はい、倉沢さん」

「えっとー、手作りクッキーなんかどーかなー?」

「いいけど、学校にクッキーを焼く設備なんかないわよ?」

 家庭科室はあるものの、標準家庭の設備に過ぎず、オーブンのようなものはなく、また当日は園芸部が育てた野菜を使って芋煮を行うため、使用できない。

「うん。だからクッキーは里奈が焼いてくるの。いいよね? コータ」

「え、まあ僕はいいけど、皆はいいの?」

「いんじゃないかな。喫茶の品揃えが増えるたほうが華やかだし、それに倉沢さんと桐嶋さんがしてくれるんでしょ?」
 実行委員ではあるものの、内輪で盛り上ってよいものかと気を遣う幸太に、委員長の久実がクラスの無言の意思を代弁する。

「やったー。それじゃ里奈がんばるからねー」

「倉沢……ホームルームは休み時間じゃないんだぞ」

「はい、すみません」

 井口に睨まれた里奈はしゅんとなって着席する。

「じゃあスケジュールとか当日の分担を決めたいんで、回覧に予定を記入してくださいね。それから、必要となる備品を用意できる人も記入してください」

 しばらく皆はざわついていたが、井口に代わり教科担任がやってくると、皆シンと静まり返る。一時限目は古文。二度寝するには静かなほうが良いのだから。


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