密心〜みそかなれど〜-2
「ふぁ…らの、け、さ!まぁ…ん…!」
それなのに蔵ノ介さまは真一文字に口を結ばれて何も仰られず……キツい顔をなされ、まるで挑むように触れてくるばかり
それが不安を煽るのに……じわりじぃわりと下肢から染まる快感がじりじりと身も心も炙ってくるので心身共にいっぱいいっぱいにさせられてしまう
――あらがえない…、……
のみこまれてしまう
「ゃ、いい…!…きもち、いい!……の、ぁ…ん」
何も仰られない蔵ノ介さまに、それでもすがるように手を伸ばせば、ぐいと手を引き寄せられる
「好きや…みそか……」
指先から吹き込まれる言葉にぞくりとそこから漣のように粟立つ
「…生、国の…言葉にありんすか…?」
「……ん、あぁ。乳母の国のやけど何や懐かしゅうて好きやから、つい……いやか?」
いや……?
驚いただけだから首を横に振った
「堅苦しいん、もぅいややった……みそかには近くにおって欲しい。離れんといて……離れたらいやや、みそか。お願いやから」
ぎゅうぎゅうと乳飲み子が母にすがるような必死さで抱きつかれる蔵ノ介さまをみて顔が綻んだ
「離れんせん。約束しんす」
「……ホンマやな。嘘はアカンで」
「嘘じゃありんせん」
誓うように初めて自分から口に吸いついた
乳母さまの……かのさまの生国だというお国言葉を使われる蔵ノ介さまは堅苦しさが溶け、柔らかにまるで飴玉のように甘く蕩けた幼い雰囲気になられる
思わず胸がきゅう…と握られたような心地になる
かのさまも、………こんな思いを蔵ノ介さまに抱かれていたのかもしれない
ぎゅうと自ら抱きつくと、蔵ノ介さまはとろけるように――無防備な笑みで、顏を撫でてくださった
猫にするように耳の後ろまで、つぅーっとなぞりあげられくすぐったさに身をよじる
「なぁ…誰なん?みそかが慕っとるんは……誰なん?なぁ、みそか…」
もう蜜に濡れ紅色に熟れるよう染まった花弁を、そわそわとなぞられ、泣き出しそうに快楽がひた走る
「ふぁ!そ、ぁ、や…えな、い…、って…ってぇ!んぁ!あぁ…っ」
それじゃ言えない
待って、待って
そう喘ぐ間に間に伝えても頭のなかはチカチカと閃光がひた走る