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崩壊
【母子相姦 官能小説】

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崩壊〜結末〜-9

 自宅前の道を、彷徨うようにトボトボと歩く仁志。溢れる涙を拭うことも出来ないほど打ちひしがれ、気がつくと身体がたどり着いていた。

 マンションの後、仁志は病院に向かったが、すでに凉子の姿は消えていた。
 仁志は病院に掛け合い、凉子の居場所を聞きだそうとする。
 しかし、病院側は固くなに口をつぐんだ。凉子からの依頼だった。

 “自分を訪ねて来る若い男には、決して居場所を伝えないでくれ”と。


「待ってたぞ…」

 玄関を開ける仁志を真仁が待っていた。

「あんたが!あんたが凉子さんに言ったんだろうッ!」

 罵声を浴びせ睨み付ける仁志。真仁は、それには応えず一通の手紙を差し出した。

「凉子さんからだ。さっき、送って来た」

 仁志は黙って手紙を受け取った。

「仁志…」

 真仁が言葉を掛ける。

「今後…どうするかは自分で決めろ。凉子さんにとって、自分にとって何がベストかを」

 それだけ言うと、リビングへと姿を消した。仁志は手紙を持って自室に向かった。

 ベッドに腰掛けて封筒を開くと、“仁志へ”から始まる文章が便箋に綴られていた。


 仁志へ

 貴方がこの手紙を読む頃には、私はある場所へと向かっています。
 世界には、医師不足のために苦しむ大勢の人達が存在します。その為に働くことが、私の以前からの夢でした。

 これまでの専門分野と違い、オールマイティーを要求される仕事ですが、精一杯頑張るつもりです。

 次に会うのは、貴方が高校を卒業した頃です。その時は、貴方と暮らせればと思ってます。

 仁志も検査を怠らず、体調に留意して下さい。

 “元気でね!”で締めくくられた手紙。

 凉子は気づいたのだ。たった1度でも、過ちに引きずられるかも知れないと。
 肉欲の赴くまま、2人共ダメになるかもと身を引いた。

 ベッドに寝転がる仁志の目に、再び涙が溢れる。彼にすれば、凉子の取った行動が理解出来ない。
 しかし、2年後には彼女の思いは分かるだろう。

 今だから、16歳だから相通じた思いだった。



…「崩壊」完…


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