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Summer〜君がくれたもの〜
【青春 恋愛小説】

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Summer〜君がくれたもの〜[亜季編]-1

『暑い日』
 やる気のない部だ・・・。単純にそう思った。こちらは真面目に(でもないが)練習しているというのに、プール解放の時間を過ぎると途端に部室は無人となる。真面目に練習していた俺達の方が馬鹿みたいだ。名前を『涼み部』とでも改めた方がいいだろう。いや、それじゃあ品がなさすぎるから・・・・

 部の改名で頭が一杯な俺を、現実に引き戻すチョップが脳天を直撃。が、どうやら強すぎたらしい。いたく冷静に頭を働かせながら、俺は地に伏した。

亜季「チョ・・・チョット悠木!?」






悠木「なぁ。亜季」

亜季「起きたの?何?」

悠木「うつぶせになっていい?」

 今度はつっこみの。それでもチョット痛いチョップが額にヒットした。

薄い意識をこじ開けると、そこに写るのは亜季の顔。後頭部の柔らかい感触。膝枕っていいもんだ。その時俺は初めて思った。

でも、こんな所を見られるとまた誤解される。まぁどうでもいいことだけど。

悠木「ジョークだよ。このままで幸せ」

亜季「調子に乗るな。起きたなら立ってよ」

悠木「へいへい」

 俺達は部室を後にした・・・。もう少し居たかったけど。






 扉を開けると、ム〜ンとした空気が体にまとわりついてくる。振り払うこともできないものだから、速攻に引き返したくなった。俺の本能はここにいてはいけないと必死に悟らせようとしている。

亜季「あっついねぇ・・・」

悠木「じゃ戻ろ」

 俺は即答した。しかし、亜季の速度は速くなってそれを否定する。動けば余計に暑いと思うケド。そんな俺の心の中のツッコミなどには到底気づかずに、亜季はサ店へと足早に入っていく。

悠木「フー。また奢らされるのかな?」

 心の中で言ったつもりが、つい言葉に出てしまった。俺は亜季の後に続く。

※「いらっしゃいませ」

お決まりの接客フレーズに歓迎され店内を見渡せば、もう既に亜季は席にちゃっかり座ってメニュー目を通している。


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