Summer〜君がくれたもの〜[亜季編]-9
飛鳥「亜季危ないよ」
亜季「ゴメンゴメン。なつかしのミサイルキック!」
和輝「垂直にだったらスタンピングじゃないのか?」
璃美「プロレスはいいけど、気をつけてね」
涼子「亜季はそのくらいの方がいいんじゃない?元気ありあまってるし」
亜季「流石涼子♪わかってるじゃん」
もう一回潜った。上ではまだ話しが続いているみたいだった。でも、さっきの映像が瞼に焼きついていた。綺麗な亜季。頭を冷やす必要があったかもしれない。でも、俺はその絵を頭の中にしまい込んだ。忘れないように。
一端底まで降りると、海底を蹴って浮上する。そのまま亜季を持ち上げて海面にでた。
亜季「ちょ・・・びっくりするじゃん!」
悠木「これであいこだろ?」
岩場を笑い声が埋め尽くしていた。楽しかった。痛かったけど・・・。だからその日は3時にもなると、シャワーを浴びて旅館の方に行くことにした。大切なことがあるから。それは・・・
和輝「部屋割りどうする?」
階段を登っている時に和輝が切り出した。
涼子「どうって、男女でいいじゃん・・・」
悠木「それがな・・・。三人部屋しか空いてなかった・・・・んだ・・・」
亜季「それじゃ、野獣二人の中にか弱い女の子を放り出すのは危険だね。オラウータンに核発射ボタン掃除して貰うより危ない」
璃美「じゃあどうするの?」
みんなも亜季のわけのわからないボケをいちいち構わない。
亜季「あぅ・・・」
和輝「こういうときはやっぱり・・・」
結局アミダで、俺と飛鳥と亜季。和輝と璃美と涼子になった。ちょっと危険な夜の予感・・・。
『暑い夏の物語C』
広いスペース。曇りガラス。沸き立つ湯気。人気のない静か反響空間。規則的なタイル。けっこういい場所だ(お金がかかっている)。
和輝「温泉なんだってな・・・」
悠木「そんなとこまで知らなかったんだけどな」
和輝「結果オーライっしょ?温泉旅館なんていいじゃん」
俺はゆっくりと湯船に浸かった。ちょっと熱かったが、入れないほどじゃない。海の冷たくて気持いい水もいいけど、温泉の温ったかいお湯もいい。落ち着く。やはり日本人はこれなんだろうか?
和輝「なぁ・・・悠木」
悠木「ん?」
和輝「俺さ・・・」
とは言うわりに、その後がでてこない。まるで和輝はそれを口に出すことを躊躇っているみたいだった。