Summer〜君がくれたもの〜[亜季編]-3
『好きという気持ち』
周りはこんなにも。鬱陶しいほど暑いのに。財布の中だけはやけに風が通って涼しくなった。サ店から出たとたんに、思い出したかのように涙腺が活発に働く。暑いのに熱心なことだ(暑いからか)。
悠木「涼しそうだな・・・」
亜季「暑いって」
悠木「俺よりは涼しそうだ」
亜季「それは、悠木がそんな格好してるからだよ」
悠木「そうかぁ?」
俺はいたって平凡。TシャツにGパン。引き替え亜季はキャミにショートパンツ。たしかに、格好のせいかもしれない。
悠木「俺が離れたら絶対声かけられるな。お前」
亜季「ナイト役光栄でしょ?」
悠木「ご褒美は?」
その質問には止まって考える。いままでどこに行くとでもなく歩いていた足を止めて。そして、不意打ち。俺の頬に彼女の唇が触れる。
悠木「あ・・・亜季?」
亜季「ご褒美欲しかったんじゃなかった?それとも・・・嫌だった?」
俺は高速で首を横に振った。
亜季「じゃ、いこ♪」
俺の腕に亜季の腕が絡まる。暑苦しいと言えば暑苦しいのだが。とりあえず、俺は今すげぇー幸せだ。これがただの気まぐれじゃないことに期待する。さりげなく。
悠木「どこ行く?」
亜季「ん〜。悠木ん家♪」
悠木「マジ?・・・ええの?」
亜季「ええよ」
家っつーことは。俺も男なんだけど・・・
亜季「今エッチなこと考えただろ?」
悠木「少し・・・」
亜季「も〜」
いや・・・。いいのか?
亜季「ク〜ラ〜」
悠木「今つけるよ・・・。ってないわい!!」
亜季「ウソ!?・・・。このボコボコ扇風機やる気ないっぽい2号猛襲型だけでこの暑さを乗り切れと?」
悠木「まぁそういうこと」
あえて訳のわからんネーミングにはつっこまない。俺は亜季をベットに座らせると、気を利かせてジュースを持ってきてやったりした(いつもは女にやらせるのに)。偉い。自画自賛だ。