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Summer〜君がくれたもの〜
【青春 恋愛小説】

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Summer〜君がくれたもの〜[亜季編]-14

『暑い夏の物語E』
 夜はほんとうに静かだ。つい1時間前まであんなに騒いでいたのが嘘のようだ。聞こえるのは、波の音と飛鳥の寝息。

 なんか色々考えていたから、いつの間にかこっちの布団に入ってきた亜季にもしばらく気づかなかった。

亜季「ゆーき?」

 名前を呼ばれて初めて気づいた。すぐ横に亜季の顔がある。

悠木「亜季・・・どうした?」

亜季「せっかくだからさ・・・。一緒に寝よ?」

 薄暗がりでも亜季の顔は見える。そんな表情でお願いされたら、断れない(断る気なんか最初からないけど)。

悠木「ああ。でも、聞くなら行動する前じゃないのか?」

亜季「えへ♪」

 絡まる腕から亜季の温もりが伝わる。いくら夏でも午前4時くらいには何もないと少し肌寒い。亜季がすごく暖かく思えた。まるで自分の体の一部のように。



 重なる唇も、白くて綺麗な肌も、亜季の全てがそこにあった。それは現実に存在していた。俺は彼女の存在を離さないかのように、強く彼女を抱きしめた。隣で寝ている飛鳥のことなど忘れて。二人は一つになった・・・。






 きちんと起きたのは、午後1時。飛鳥も亜季もまだ寝てたから、朝(思いっきり昼間だけど)風呂を浴びようと思って外に出た。

 が、即座に踵を返して部屋の中に戻りクーラーのスイッチを押す。廊下は死ぬほど暑かった。出た瞬間に汗が吹き出る。とても風呂まで歩く自信が悠木にはなかった。

 クーラーがうなると、亜季と飛鳥も目を覚ました。寝起きは誰でも機嫌が悪い物だ。俺は刺激しないように一人座椅子にもたれた。

 そうしていると、飛鳥が静かに立ち上がり、そのままドアの外へと出ていった。ここはトイレが廊下にあって共同だから、多分そこに向かったんだろう。寝起きであの暑さ。ご愁傷だ。

 とか思ってドアを見ていて、ふと視線を亜季に向けると、そこには寝顔があった。亜季の寝顔。可愛い。というか二度寝?・・・早い。神がかり的な速さだった。

悠木「まあいいけどさ」

 どうせ隣の3人もまだ寝てると思う。とりあえず俺は、タバコに火を付けた。エアコンが空気清浄機の機能も果たすから、部屋が白くなる心配はなかった。煙くもならない。

 なんとなく、睡眠の邪魔したくなかったから、暑さを省みず外に出た。廊下に出ただけでムアっとした空気が肌にまとわりつく。それがウザったくて、俺はそのまま海へと歩いていった・・・。




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