Summer〜君がくれたもの〜[亜季編]-13
悠木「ああ」
亜季「吸いすぎはだめだよ。体によくない」
それは自分でもわかってはいるんだけど・・・。
悠木「暇だとどうもな」
亜季は不思議そうな顔をしたが、少しなにか考える表情を見せた。その表情が。というか、全ての表情が可愛くて愛おしい。
亜季「じゃ、なんかして遊ぼ♪」
この辺りは、なんか亜季らしい。別に今暇っていうわけじゃないんだけど。でも、多分俺は亜季に促されればどんなことでもしてしまうような気がする。それを他人にとやかく言われてもなんとも思わない。別にそれでいいと思うし、そうなんだから仕方ない。
悠木「なんかって・・・。何?」
亜季「・・・。悠木・・・」
突然亜季の顔がシリアスになった。声もさっきまでは明かと違う。
悠木「どうした?」
亜季「大好きだよ・・・悠木」
くわえた三本目の煙草が口からこぼれた。
悠木「亜季?」
亜季「好きなの・・・。悠木のことが・・・。友達とかそういうのじゃなくて・・・」
頭ん中真っ白になった。っていうか、なんも考えられなかった。
亜季「・・・・」
悠木「・・・・」
沈黙。
亜季「・・・なんか・・・。言ってよ」
悠木「あ・・・。悪ぃ。・・・俺も好きだよ。っていうか、前から好きだったんだけどな」
なんかすげぇさっぱりしてた。素な言葉しか出てこなかった。あの時はそれが精一杯だった。だから、どこかギクシャクしてしまったのかもしれない。
悠木「いきなりの告白だな」
亜季「ダメだった?」
悠木「いや。亜季らしいよ」
ありがとう。と、それは小さくて悠木には聞こえなかった。悠木の肩にもたれて瞼を閉じる亜季。二人の時間はこれから始まる。