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Summer〜君がくれたもの〜
【青春 恋愛小説】

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Summer〜君がくれたもの〜[亜季編]-12

『暑い夏の物語D』
 なんで俺に頼むんだろう?上がるのがめんどくさいのか。まぁそうだろうけど・・・。いいのか?

悠木「亜季のカバンは・・・こっちだよな」 

 女の子の旅行カバン。未体験の領域だ。化粧品、洋服、財布、タオルなんかその辺りは普通のものだ。下着は・・・これかな?

悠木「いっぱい入ってるじゃねぇかよ・・・」

 黄色、青、ピンク、白。どれも亜季に似合うと想った。別にやらしい意味じゃなくて。俺は適当に一組取ってそうそうにカバンの口をしめると、そのまま女湯へと向かった。



亜季「ありがと。悠木」

悠木「ああ・・・。じゃあな」

 バスタオル一枚って・・・。あれは俺を誘惑してるんだろうか?まさかな。考えすぎ。俺は速攻で部屋に戻った。まともに亜季の顔見ることできなかった。





悠木「フー」

 つい持ってきた煙草に火を付けてしまう。窓を開ければ問題ないか・・・。和輝は隣の部屋で何してるんだろう。行く気はないが、気になるもんだ。特にすることがない。夕食までは少し時間があるし、どこかに出かけるにしろ遊ぶにしろ、みんなが戻ってこないと話しにならない。

 三人部屋というわりには少し狭い印象を受ける。ギリギリで布団三枚敷くことができる。といった感じだ。寝るときは荷物を片づけなければいけないだろう。

午後5時。これから泳ぐには少し遅い(岩場は危険だ)。俺は本当にすることがなくて、二本目の煙草に火を着けた。でも、たまにはこういうのもいいと思う。しかし、この勢いで吸ってるといずれ切れるな。近くにコンビニがあるから問題はないけど。



 コンコン



 乾いた音がドアをノックした。二人ならノックなんてしないと思うが・・・。

亜季「いい湯だったよ。ありがとう」

悠木「飛鳥は?」

 帰ってきたのは亜季一人。飛鳥の姿はない。

亜季「涼子と璃美と一緒に散歩に行ってくるって」

悠木「まだちょっと暑いだろ?」

亜季「どうせ寝る前にまたお風呂入るからいいんじゃない?」

悠木「亜季は行かないのか?」

亜季「やだよ暑い」

 軽い笑いの後、亜季は俺の正面に座った。ピンク色に染まった肌と、微妙な露出の浴衣が少しHだ。朝のこともあって、なんか普通に考えられない。

亜季「煙草・・・。吸ってたんだ」

 ノックと同時に揉み消して窓の外に投げたが、臭いは十二分に部屋に残っていて隠すことができなかった。


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