Summer〜君がくれたもの〜[亜季編]-11
ちょうど浴室から出ようとした時。隣から声が聞こえた。
亜季「悠木いる〜?」
よく響く。おそらく隣ではウルサイくらいなんだと思う。
悠木「ああ」
少し大きめの声で返事をした。
亜季「一人?」
悠木「そうだけど?」
亜季「頼みあるんだけど」
悠木「なんだよ?」
亜季「私達みんなお風呂まだ入ってたいんだけど、着替え忘れちゃったから、取ってきてくれないかな?私のカバンの中に入ってるから。浴衣持ってきたけど下着忘れちゃったの」
悠木「なんでもいいのか?」
亜季「悠木の好きなのでいいよ」
悠木「わかったよ」
亜季「脱衣所で待ってるから」
悠木「ああ」
そう言って俺は浴室を後にした。
璃美「亜季凄いね〜」
亜季「何が?」
璃美「普通男の子にそんなこと頼めないよ。彼氏でもどうかな?って感じだよ?」
涼子「悠木は特別なんだよね。亜季?」
飛鳥「二人とも素直じゃないからね〜」
亜季「ちょ・・・なに言っての!?」
飛鳥「悠木君カッコイイしね」
涼子「けっこう優しいし」
璃美「なんか側にいると安心するタイプだよね」
涼子「亜季が惚れるのもわかるわ」
飛鳥「両想いなのにねぇ」
亜季「それは、飛鳥が勝手に言ってるだけじゃん」
璃美「今のは悠木君への想いを認めたんだよね?」
こうして、亜季への攻撃は止まない。半冗談交じりの虐めはお風呂から上がるまで続くだろう。