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シアワセサガシ
【幼馴染 恋愛小説】

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シアワセサガシ-1

ねぇ

シアワセになる方法

知ってる?


知らないの?


じゃあ教えてあげるね

あのね──




放課後の教室を夕日がオレンジ色に染め上げる。
何とも魅惑的だ。

「是永 奏さん、オレと遊びません?」

そんな中、私は名前も知らない後輩から呼び出されながら、今朝見た夢を思い出していた。

『幸せになる方法』ね…。

そんなものこの世にあるの?
何度かこの夢を見ているけどいつも答えの手前で目が覚めた。

「ダメ?」

「どうして私なの?」

遊び慣れしてるようなこの男は、ゆっくり近付きながら囁いた。

「清楚で頭良くて可愛くて」

とうとう彼と私の距離は数センチとなった。私は窓ガラスに背中を預ける形になる。
すると彼は両手をガラスに押し付け、私を囲んだ。
そして、少し屈むと耳元で

「でも裏で遊んでそうだから」

と付け加えた。

「何で?」

「何となく、分かるんです。それに、少なくとも大聖さんとはそーゆー関係なんでしょ?」

彼は私の黒髪をサラサラと撫でると「違う?」と首を傾げた。
答える代わりに曖昧な笑みを浮かべる。

「オレとも遊びましょうよ、センパイ」

彼の吐息をとても近くに感じ、お互いの唇が重なった。棒立ちの私に啄むようなキスを繰り返しながら、彼は私のシャツのボタンを外した。そしてゆっくり制服の中に手を入れ背中を撫でる。私は大きな掌で直接肌を撫でられて─

すごく気持ち悪くて悪寒が走った。

「ね」

キスされたまま口を開くとヌルリとした異物が私の中に入ってきた。
タバコの香りに吐き気がする。彼の全てが不快だ。
でも…

「私を幸せにしてくれる?」

「…ん?」

口内を彼の舌が蠢く。
背中をまさぐっていた掌が前に移動して、私の胸にあてがわれた。


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