崩壊〜陥る〜-1
風呂場で自慰に耽る息子の姿に、涼子は不思議な思いが湧き上がった。
それは、今まで抱いたことの無いモノだった。
服が乾くまでの間、自分のパジャマを替わりにしてもらおうと思い、涼子は脱衣所に着替えを持って入った。
そして、浴室から聞こえて来た呻き声に誘われ、仁志のあらぬ行為を面あたりにしてしまった。
「…う…ああ、涼子さん…涼子さんん!…」
いきり立ったペ〇スを手でシゴきながら、頭の中で自分を凌辱する様を思い描き快感に酔いしれている息子。
しかし、涼子は、いやらしさを感じなかった。
先ほど、お互いに肌を晒した時には彼女自身、肉欲が沸き上がり秘部から熱い愛液が溢れていた。
流れのままに、熟れた膣内を仁志のペ〇スで満たそうかとも考えた。
しかし、思い留まった後に、身体を震わせて精液を床に飛び散らせる仁志を見て、なぜか愛おしさを感じた。
頭の中では理解していた母子の繋がり。涼子は、それを心の奥底で感じ取った。
16年という長い隔たりを、一気に飛び越えた思いがした。
涼子は気付かれまいと、仕切りのガラス戸からそっと離れようとする。
その時、力の加減でガラス戸が音を立てて動いてしまった。
「り、涼子さん…」
音に気づいて仁志が振り返った。動揺した顔の涼子を捉えた。
「…あの、着替えを持って来たら…呻き声が聞こえて…べ、別に覗くつもりは無かったのよ」
強張った表情で後ずさりする。
「ひどいじゃないか!人の、恥ずかしいところを見るなんて…」
仁志はイスから立ち上がり、ゆっくりと涼子の方を向いた。
たった今、大量の精液を放出したばかりなのに、そのペ〇スは再び天井をむいて脈動していた。
見つめる目が、ケモノのように豹変したのが涼子には分かった。
「だから、見るつもり無かったってば!」
危険を感じた涼子は脱衣所から廊下へと逃げた。仁志は反射的に追っていく。濡れた足跡が廊下に点々と残る。
「や、止めなさい!仁志君、気は、確かなの!」
追いかけてくる息子を思い留まらせようと、涼子は悲鳴にも似たカン高い声をあげた。
しかし、肉欲に猛り狂った仁志の耳には届かない。
「オレばっか、恥ずかしいところを見やがって!」
彼の頭からは、叔母という関係さえ消えていた。
涼子は廊下からキッチンへと逃げ込む。後を追う仁志も中へと付いて行く。
テーブルを挟み、奥に涼子、手前に仁志とお互いが睨み合う。
「いい加減になさい!ふざけるにも程があるわよ」
捕まえようとテーブルの周りを走り回る仁志を怒鳴りつけながら、涼子は距離を保とうと逃げ回る。
「…見てよ。涼子さん、オレのココ。あんたを欲しいって唸ってるよ」
仁志は自らのモノを指差した。先汁に濡れたペ〇スが赤黒く主張している。
涼子の視線が一瞬、仁志の瞳から逸れた。