投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

崩壊
【母子相姦 官能小説】

崩壊の最初へ 崩壊 30 崩壊 32 崩壊の最後へ

崩壊〜陥る〜-7

「オレには、何が本当のことなのか、もう分からなくなったよ」

 仁志は、吐き捨てるように思いを伝えると玄関に向かった。

「ま、まて!仁志」

 真仁は玄関に追った。止めなければ2度と仁志に会えない。そんな気がしたからだ。
 彼が思った通り、仁志は厳しい顔で言った。

「あんた達は何なんだ?」

 言葉を残し、玄関は開け放たれた。それを止める術は真仁には無かった。




 4,000円と涼子に貰ったお金の残り3,000円あまり。
 仁志の全財産。これを持ち、家を飛び出した。向かうのは涼子の家。彼は真実を求めた。

 朝の電車。スウェード調の表面に、妙にスプリングの効いた座イス。車窓からは、時折、海岸線が見える。
 いつもは、夜のラッシュ時のため座る事など無かったが、休日の朝は違う光景を見せてくれる。

 そんな新しい景色さえ、彼には大した意味をもたらさない。

 ただ、憤りだけが心を支配していた。

 いつもの駅に降りた仁志は、徒歩5分の距離を駆けて行った。

「ハァ、ハァ、ハァ…ハァ…」

 昨日の昼から水さえも摂っていない身体で、仁志は涼子のマンションにたどり着く。
 正面玄関を潜ると、エントランス・ホール中央の共通インターフォンが有る。仁志は、部屋の番号と呼び出しボタンを押した。
 しかし、応答は無い。もう1度押してみる。が、やはり同じだった。
 仕方なく、仁志は涼子から聞いていた暗証番号を叩いて中に入った。このまま、帰る気など無かったからだ。




 某ホテル。

「こちらが、南部大学病院で第1外科の服部教授だ」

 紹介された男は、相手に対して会釈した。その細面な顔立ちは、医学を邁進したい情熱と強い自信を伺わせる。

「こっちは間下涼子さん。ウチで肛門科を任せている優秀な女医さんだ」

 2人の仲を取り持つ涼子の病院の院長も、満面の笑みを浮かべていた。

 それは服部も同様だった。女性と接することが極端に少ない彼にとって、涼子は天使のように見えた。

「こんな場を設けて頂いて…長澤院長には、なんとお礼を言ってよろしいやら…」

 緊張しながら語る服部は嬉しそうだ。
 それは、涼子も同じだった。

「私も院長には感謝しております。あなたのように聡明な方を、紹介して下さったのですから」

 長澤は高らかに笑った。

「まずは乾杯といこう!これからの君達の未来に」

 涼子は、食前酒のシェリーを傾けた。




 日は緩やかな動きを伴いつつ、低い位置から高い位置、そして、再び低い位置へ。古くから変わらぬ動き。
 普遍的な動きの下、仁志は涼子の部屋の前に座り込み、彼女の帰りを待つ。
 そんな彼に、浴びせられる刺すような他人の目。だが、以前のように気にもならなかった。

 “どうしても、今日中に確かめたい”

 その思いが、彼を衝き動かしていた。


崩壊の最初へ 崩壊 30 崩壊 32 崩壊の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前