僕らの関係 プロローグ きっかけ-5
「さてさて、それじゃあブリーフをずらしてみましょうか……」
楽しそうに言う様子は講義を受けるというより、新しいおもちゃを弄るのに近い。
それでも直に弄るのに抵抗があるらしく、里奈は人差し指と親指だけで摘むようにブリーフの重なっている部分を捲る。
「あ……んぅ、だ……ダメだよ。お願いだから許してよ……もういいでしょ、恥ずかしくて死んじゃうよ」
「ふふ、それ女の子の台詞だぞ? それに、大人になったらしてもらいたくたってしてもらえないんだぞ? 今のうちに楽しまなくてどうする?」
恵は涼しげにいうが、女子三名に陰茎を弄られた経験など、本人にしてみればトラウマになりかねない。
「にっひひー、あと少し……わぁっと!」
「きゃっ!」
ブリーフが引きずり降ろされると、浅黒い棒のようなものが勢い良く飛び出す。眼前に現れた見慣れぬモノに、里奈と由香が同時に声を上げる。
「へー、まだ……か」
何がまだなのか幸太にはわからなかったが、性器を露出させられたことで、彼の身体は一瞬で沸騰するぐらいに熱を生み出す。
「もう、やめてよ……」
しかし、声はか細くなり、まるで季節はずれの蚊がふらついているよう。
「幸太ちゃんの……、おっきくなってる」
感慨深そうにため息を吐く由香。
久しぶりに見る幼馴染の性器は子供の頃に見たものと、形状こそ似通っているものの、大きさと色が違った。前に見たときは確か親指大くらいで、色も肌色に近かった。
しかし、目の前で誇るように天井を向くそれは、バナナくらいの大きさと曲がり方、そして浅黒かった。
「変な匂い、汗? オシッコ? あ、なんか出てきた、コータ、オシッコしたかったの?」
包皮に隠れた鈴口から透明な粘液が滲み始める。
「多分、それ、我慢汁ってやつだな。てかコウ、勃起してるし、もしかして感じてる?」
「そんなこと無いよ」
強がる幸太だが、背中に押し付けられる胸と、陰茎間近にある愛らしい顔、それに年頃の女子の放つあまずっぱい香りに煽られ、情欲をそそられている。
「まあいいや。でな、里奈、精通っていうのは、男が精子を作れるようになったことの証拠なんだ。普通は夢の中でエッチなことするとなるみたいだけど、コウ、誰が相手だった?」
間違った夢精の知識を披露する恵だが、里奈はふんふんと頷き、由香もそれを訂正しようとしない。