投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『あたしのビョーキ』
【同性愛♀ 官能小説】

『あたしのビョーキ』の最初へ 『あたしのビョーキ』 19 『あたしのビョーキ』 21 『あたしのビョーキ』の最後へ

『あたしのビョーキ』-20

「ほーら、瑠璃、怒るよ……って……」

 焦らしていたと思った瑠璃は、クッションを抱いて震えていた。しかもすすり泣く声つきで。
 一体どうしたのさ? あたしなんか変なことした? あ、いや、してたけど、それって合意じゃん。

「やっぱりヤダ……」

「な、そんなこと、今更……」

「だって、女同士で……」

「そうだけど、瑠璃はあたしのこと……」

「好きです」

「なら……!」

 あたしは何とか宥めようと肩に触ろうとすると、びくっと震えて拒絶の意思を表す。

「でも、先輩は? 先輩、あたしのこと好きっていってない」

「好きだよ」

 なんだか後付の好意で卑怯だな。でも、瑠璃だってずるいよ。ここまでされたら……。

「先輩……ごめんなさい」

 瑠璃はあたしに背を向けたまま、タオルケットを羽織る。

「いいよ。あたしこそゴメン。これじゃただやりたいだけじゃんね」

 そう言いつつも、未練がましいあたしは彼女の筋張った肩甲骨にキスをする。

「ごめんなさい」

 瑠璃はそのキスだけは受け入れてくれる。けど、綺麗な割れ目と水着の跡を見せられると、ムラムラする。つか、もうどうにでもなれ。あたしは瑠璃をレイ……。

「……先輩のこと、信じてますから」

 ズルイ子だよ。ほんと。でも、そういうの、強くなれると思うよ。バスケでも、恋でもさ。

***―――***―――***

 日が沈む頃まで一緒に寝た。文字通りの意味で。ちくっとした痛みを感じたけど、練習の疲れが出たのか、起き上がる気になれなかった。んで、次に気付いたときには瑠璃がいなくなってた。机にごめんなさいっていう書置き残して。

 ファール五つ目は何とか回避したものの、肝心の相手が退場じゃしょうがないよ。


 寝汗をかいたけど洗い流したくない。だからそのまま服を着て外にでた。でも、身体から漂う淫靡な香りは自分でも分かる。だからかな、人気のない公園に来てしまった。
 んで、おきまりのブランコに揺れて寂しい女の子を演じてみる。けれど自慢の高身長が健気さをぶち壊す。里奈とか由香なら絵になるのにな。

「また一人?」

 またあの人が来た。なんつうか、ここ以外に行くところないのかよ。


『あたしのビョーキ』の最初へ 『あたしのビョーキ』 19 『あたしのビョーキ』 21 『あたしのビョーキ』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前