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『あたしのビョーキ』
【同性愛♀ 官能小説】

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『あたしのビョーキ』-2

 あたしが自分と他人の違いに気付いたのは、小学校五年の頃。
 共働き且つ、帰宅の遅い親を持つあたし達四人は、たまにお泊り会をしてた。
 そんなある夜、あたしは見たいテレビがあるからと、コウの入っているお風呂に飛び込んだ。そしたら、コウは妙にそわそわしだし、早く出るよう言ってくる。
 からすの行水を余儀なくされたあたしは、お風呂上りに「コウが妙なことを気にする」と里奈と由香に話した。けど、あたしの方がおかしいと言われた。
 たかがコウのチンコ見た程度、それに去年までは一緒に入ってたじゃんと食い下がるものの、彼女達は「銭湯でもトイレでも男の子と女の子は別でしょ?」と言い返してくる。
 なるほどと思いつつ、冷えた身体を温めようと、彼女達と一緒に入りなおすことにした。

 だけど……。

 あたしは妙な気持ちだった。コウと一緒に入ったときよりも。
 里奈の小さな膨らみと、由香のこんもりとした胸元を見てると体が疼く。特に太腿の付け根、股間の辺りが酷い。
 由香は胸元に視線を感じたのか、あたしを見て「どうかしたの?」と怪訝そうな視線を向ける。里奈は気付いていないのか、丸く薄いお尻も、ぺったんこなオッパイも見せてくれた。

 湯船につかりながら、あたしはお湯をかき回すフリをして彼女達のお尻に触った。
 柔らかいだけの肌触りに、心ときめくものを感じる自分がいた。

 あたしはフツーの女の子じゃない。

 そう、感じた。


「どうしたの、恵、食べないの? あ、もしかして美味しくなかった?」

 コウは上目遣いにあたしの顔色を伺ってくる。

「いや、美味しいよ。コウの作るものは何でも美味しい。……けど、にんじんは苦手なんだ。匂いが、どうしてもさ……」

 細く切られてスティック状になったにんじんを避けて、代わりにタバスコを一振りする。
 つんとした香りと程よい酸味が上乗せされたピザを頬張ると、咽てしまう。

「ちょっと恵、大丈夫?」

 由香はティッシュを片手に背中をさすってくれる。
 同年代の女子と比べて肌荒れの目立つ肌。あたしや里奈と違って水仕事もしっかりこなすせいだ。
 由香は才色兼備という言葉が似合う。ただ可愛いだけで頭空っぽな里奈より、料理が出来て面倒見が良く、ちょっと控えめな彼女の方が素晴しいと思うのはあたしだけだろうか?

「恵はおっちょこちょいだからね」

「なんだとこいつ!」

 手を振りかざすと、コウは由香の後ろに身を隠す。男のくせに肝っ玉の小さいこいつには、はっきり言ってチ○コは必要ない。むしろあたしにあったほうが絶対いい。
ていうか、あたしが男でこいつが女なら良かったのに。


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