女帝棲学園-2
「私は玲子。玲子先生と呼んでくれれば嬉しいわ。」
「はい。玲子先生。」
玲子は学園のシステムの説明を始めた。毎日少しずつ努力すれば難しくないこと。
週末の試験は土曜日の午前中で、4月中は生徒の学力に合わせたクラス編成を行うためのものであること。5月以降に本格的な勉強が始まることなどを教わった。
近くで見る玲子先生は本当に綺麗だった。首を傾げて微笑むのが癖のようだった。
髪を後ろに纏めており、玲子が書類に目を落とすと真っ白なうなじは、折れそうなほどに細かった。
「不安もあると思うけど。一緒にがんばりましょう。
二人でやれば、きっとできるわ。」
誠はこの美しい先生と頑張れば何でも出来そうな気がした。
「暑いわね。」
玲子が上着を脱いだ。白いブラウスはシースルーに近く、白いレースのブラと真っ白な肌が透けて見えた。
「誠くん。キスしたことある?」
玲子が誠を見つめる。
「へ、な、無いです。」
あっというまの出来事だった。
玲子が顔を寄せたと思うと、唇が重なっていた。
「あぅ!」
驚きのあまり誠が声を上げる。開いた唇に玲子の舌が滑り込む。
「んん。んんんん。」
誠は気を失いそうだった。思いもよらないことだった。
3年間を共に過ごす個人教師が玲子だと分かって本当に嬉しかった。
玲子の優しさに、美しさに、魅力的な大人の女性に憧れを持ち始めたばかりだった。
その玲子と今、キスをしているのだ。
そしてその滑る舌の感覚はいやらしく、想像もしないほど甘美なものだった。
誠の体温が急激に上昇して行く。
「んん。んんん。むふう。」
誠はもだえるように体をくねらせた。
玲子は誠の反応に満足し、ゆっくりと唇を離した。
「敏感なのね?」
「あ、あの・・・・」
誠が真っ赤になっている。湯気が立ち上りそうだった。
玲子が微笑む。誠を心ら可愛いと思った。誠に決めて良かった。誠との3年間が本当に楽しいものになると確信していた。
「あなたのファーストキスね。先生も今日のことを忘れないわ。」
「あ、あの、ぼく・・・・・
一生忘れません・・・・・」
誠は消え入るように呟いた。
玲子は笑顔を返すと、教師の顔に戻り学園の説明に戻っていった。
誠は玲子の横顔に見とれていた。この美しい先生と本当にキスをしたのだろうか?
先ほどのことが夢の中の出来事のように思えてしまう。
玲子の話しを聞こうと玲子に近づくと、甘い香に包まれた。
その香は目眩がするほど甘美なものだった。
誠は、ただ、ただ、玲子に見とれていた。
やがて玲子は一通りの説明を終えると、誠の手を握った。
「今日はこれでおしまい。
明日から先生と頑張りましょう。
先生のこと好きになってくれると嬉しいな。」
玲子は誠の頬にキスをして部屋を出ていった。