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見返りは君でイタダキマス
【理想の恋愛 恋愛小説】

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見返りは君でイタダキマス〜second(後編)〜-1

ぎゅ、う…っ


ナオとは反対側の机のした――ふいに握られた手


なんでわかっちゃうの
楓……、なんでわかっちゃうの


目を合わせたら、とびきりの笑顔をみせてくれる楓に……胸がきゅうってなる

なんで今恋人っぽいこと、しちゃうの
なんで今そんな甘やかすの


私のだって…
私の彼氏だって……言いたくなっちゃうよ

楓のバカ、優しくしないで

優しくしないで

私に優しくしないで

私のために優しくしないで

――私のための嘘を、私がいちばんつきたくない

……私のためなのに、そんな嘘つかないでほしいと思ってる


優しくされるのは嬉しい。
なのに、なんで……
相反する感情がぐちゃぐちゃになっておかしくなりそう


「ミカー、送っていこっかぁ?楓クンもー」

「すみません、ありがとうございます」


ほらいくよ、ミカさん


「やだ…」

断ってよ、二人でいたいよ

「ミカさん?」

ミカさんなんて呼ばないで


………私、どんどんイヤな子になってく

「ミカ…?」
覗きこむように私を見る楓は…驚いた顔をしてる

だって私が泣く寸前だから
視界いっぱい涙の膜でキラキラと光っている

「言っちゃ…だめなの?」

それだけで楓は分かったらしい



「…頼むから言うな」
「だって……!」


「お願いだから…ミカにだけは傷ついて欲しくないんだよ」

なにそれ…
なによぉ…そんなの

「違う!違うちがう!楓全然わかってない。傷ついたっていいの!……私は、楓のこと嘘つく方が………痛いよ」

周りなんて見えてなかった
どうだってよかった


だって、だって…


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