見返りは君でイタダキマス〜second(後編)〜-3
「ミカの目、うさぎみたいに」
そう笑った楓は、ポツリと言った。
――正直、ぜーんぶ嬉しかったよ
ナオさんはさ、ミカと仲いいだろうなってわかってたから、余計に
――俺たち、いいんだって悪いことしてないじゃんって思えたよ
あぁ――どうしよう
また泣いちゃうじゃない
付き合ってから私、泣いてばっかり
しかも嬉し涙ばかり
空を見上げると低い位置に金星が光ってた
まるで私たちを照らす光になったナオみたいだ、とかロマンチックに考えて笑ってしまった
それから何日後、大学に行ってナオとお茶をしてるときだった
――実はさわかってたよ?
――え?
――だって楓クンのミカを見る目ってすごく優しいのに……男なんだなぁっていう目してたからさぁ
初めは楓クンの片想いかな〜とは思ってたけど
やるね〜あのこ
――……ソレって
――いいんだって。そういうのもアリじゃん。……色々あるだろうけど私には惚気ていいし力になるよ
――……ありがとう
――いえいえ
本当にどうしよう
馴れ初めをつつかれながら私はへらへらと浮かれたように笑った
どうしよう
今度は幸せすぎて困ってしまった
「白状しなさいよー」
「やっだ、やだぁー」
きゃんきゃん騒ぎながら、それでも私は楓の優しさだけは独り占めに、秘密にしたいんだから
そーとー欲張りだ。
でも楓に言ったらこう言われちゃうんだろうな
『馬鹿じゃないの』
しょうがないなぁ、っていういつもの笑顔で