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見返りは君でイタダキマス
【理想の恋愛 恋愛小説】

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見返りは君でイタダキマス〜second(中編)〜-1

ハァ…本当どうしよう……
欲張りすぎるよ、私…


楓の部屋で手持ちぶさたにマンガを手にとったり戻したりを繰り返す

「ミカちゃーん」

ドキン!

「はい!」

驚いたぁ……おばさんに家庭教時間中に呼ばれるのは珍しい。
大抵勉強が終わった後ちゃんとご挨拶するからその時に話すんだけどな…?
あ…、楓とのこと?!…ではないはず、うん


「おばさんねーちょっと急用で出かけるのよー悪いけど楓とどっかでご飯食べてくれないー?」

やった!
楓と一緒にご飯!

「いいですよー!」

「ありがとー!もう追い込みだからー何か精つけたげて!お金あげるからー」

「はーい。ありがとうございまーす」


一階と二階のやりとりでお互い叫ぶように話しながら私は今からウキウキしてた。

楓とデートのチャンスじゃん!



――受験生の楓とお出かけ…なーんてそうそうできない

だからデートもおあずけだった

実際……おばさんたちにはかな〜り後ろめたさもあって『参考書選びに』なんてうまい言い訳すらできないんだ


わぁー…うれしー…

「いいの?ミカ」

帰ってきた楓からカップを手渡される。
浮かれてすぐに口をつけて…なのに熱くない温度に、楓の優しさをまたみつけた。

………私猫舌なのに

そんなの言った覚え…ないのに楓は当たり前みたいにこういうことする。

たまに気づかないまま見逃して当たり前に思う過去の自分に恥ずかしくなるし、……こうやって見つけたときは嬉しいのに切なくて、幸せでたまらなくない気持ちがいっぱいに満ちてくる。

「いいよー…嬉しいし、何がいい?」

パスタ、和風、肉、洋風、中華?

「んー、ミカのオススメ。肉ならなんでもいいよ。精つけろっつーし」

ぴらぴらと指先で振られる軍資金はお手頃だし…

友だちともよく行ったお店
久しぶりだしいいかもしれない


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