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あごがすきなんです。
【フェチ/マニア 官能小説】

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あごがすきなんです。-2

「もちろん。
良かった、一人じゃちょっと心細かったんだよね。
でも私、部の方にしようかと思ってるんだ。ここの大学、クラブも結構ゆるそうな雰囲気だし」

「そうだねー、じゃあどっちも見てみよっか
…あ、そうだ、私のことはみゆきって呼んで!苗字あんまり好きじゃないんだ」

「うん、じゃあ私のことも真紀って呼んで」

「はーい、真紀ちゃん!」

みゆきは愛らしく笑った

人のあごばかり見ている私だが、自分でコンプレックスを抱いているのは少し目尻の下がった丸い目だった

いつも気弱に見られていじられたりする反面、少しきついことを言ったりすると「顔の割に毒舌だね」なんて言われてしまう

…みゆきはいいなぁ

みゆきの可愛いつり目は、まさに猫のようで羨ましい

少し子悪魔っぽい空気も合わさって、何を言われても許してしまいそうだ…


***


「なんか…どこも人多いねぇ」

多くの学生がサークル見学に来る為か、普段はあまり来ない部員も来ているらしくどこも人で溢れていた

私がみゆきの言葉にうなずいたとき、「映画鑑賞部」という字が目に入った

みゆきと共に覗いてみると、中では数人の男子学生が談笑したり携帯電話を操作している姿が目に入った

…随分ゆるそうな部だなぁ

「あのー…」

「え…あっごめんごめん!どうぞ見てってよ〜!
つーか、入っちゃう?」

みゆきが恐る恐る声をかけると、気付いた男子生徒が慌てて歓迎モードに切り替えた

「作ったばっかで女の子いなくてさー超テンション上がるわ〜」

髪の毛を重力に逆らって固めている男子学生が軽いノリでみゆきに話しかける

なんか…まさに高校時代に想像してた“大学のサークル”って感じ

大学入ってまで厳しい部活は嫌だけど…ここまでゆるいのはちょっとなぁ

心の中で色々とわがままなことを審議し、やっぱり別の部にしようと思った時、一人の男子学生が立ち上がってその後ろにいた人が見えた


…意識が熱く駆け上がった


あの人、あの横顔…
…すごい綺麗…!


その人は、奥のほうで映画雑誌を見ていた

私は自分でも驚くくらい、ドキドキしていた

横向きでも分かる、その人のあごは…

…まさに私の“理想の顎”だったのだ

私があまりにじっと見ていたからか、その人が何かに気付いたようにこちらを見た


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