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見返りは君でイタダキマス
【理想の恋愛 恋愛小説】

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見返りは君でイタダキマス〜second(前編)〜-3

わざわざ指定された『私からキス』は………たぶん、私がちゃんと楓を好きなんだって実感したいんだと思う。


ヒドイ私は自分からキスするのは苦手だって、さんざん楓に惚気てきたから。


――楓に確かめたことは、ないケド……楓はきっと今でも、私がラブの意味で自分を好きだなんて、信じられないでいるんだ。
……私が信じられないとかじゃなくて。



付き合うようになってよくわかった。
楓は本当、……私に対しては過敏で細やかな優しさがある。
こんなに思われてるんだって驚くほど。



当たり前すぎて気づかなかった


――別れるとき絶対に『気をつけて帰れよ』って言ってくれる
――私の好きなクッキー、部屋に置いてある。自分はパサパサしてるからクッキーキライっていったのに
――髪型だって変えたら気づくし……

全部いつかもわからないくらい前から変わらない。
当たり前にある日常。

それが……当たり前になるくらい昔から楓はそういう気持ちを向けてきたってこと、私は付き合って初めて気づいた。

 
あぁ――どうしよう

本当に私は優しく愛おしまれてる。


ただ困ったことがひとつ。
 
それは――――私が欲張りなだけ

こんなの、初めてで困る
 
 
最後の約束。
『二人のことはヒミツにする』。

でもそんな約束、守りたくない私がいるってことなんだ。


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