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月の花ビラひとひら
【エッセイ/詩 その他小説】

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月の花ビラひとひら-1

月を見て兎は淋しいと、
呟いた彼女は、今日の月は
何と呟くのだろう

太陽に見捨てられた彼女は
目を閉じて
レプリカの夜を過ごして
空の色を知らない

風に吹かれた花のひとひら
手のひらに握りしめて
離さないようにしていた彼女は
手を握ったままなのか

雨降る朝に
レプリカの夜から目覚めた
彼女は握った手を離し
濡れていた、笑っていた

離れていった
ひとひらの花を
彼女は探して
月灯りの中泣いていた
自ら離したとも知らず

涙と雨の境界線
彼女はそれも分からず
見捨てたはずの太陽は
沢山の光を彼女に。


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