崩壊〜執心〜-4
「ふうっ、次は下着ね」
仁志は、まるで幼子に戻ったかのように涼子の手で服を脱がされていく。
(…ああ、気持ちいい)
ところが、真剣な顔で服を脱がせている涼子を前に、仁志はその行為に陶酔していた。
「後は…下ね」
涼子の言葉に、仁志は陶酔から目が覚めた。
「ち、ちょっと…それは自分で」
「いいから。任せなさい」
涼子は仁志の前に跪き、ベルトに手を掛けた。
仁志同様、涼子もいつしか脱がす事に悦びを感じていた。息子の半身を間近で見つめ、肌に触れ、その成長を確認した彼女はもっとその手で確かめたいと我執した。
ベルトを外し、ホックを外した。指がジッパーに掛かる。
その姿を真上から見つめる仁志。涼子の濡れた淡色のカットソーが身体に貼り付き、透けた彼女の胸元に情欲を催した。
(やべ…勃っちゃった)
ジッパーが開けられた。涼子は立ち上がると、仁志に身体を密着させて腰に手を回し、ジーンズの中に手を入れた。
「パンツごと脱がせるからね」
涼子はそう言うと、後ろから下げようとする。細身のジーンズは脱がせ難い。彼女は何度も手の位置を変えて徐々にジーンズを下げていく。
その度に涼子の胸が仁志の肌を圧迫する。柔らかな感覚。布越しとはいえ、初めて女性の乳房を肌に感じて彼のペ〇スはさらに硬さを増した。
涼子は気づいていた。仁志が自分を欲情の目で見ていることを。その身体の変化にも。
それは彼女も同じだった。冷静を装っているが、胸の鼓動は速く、高く鳴っていた。だからこそ、欲情を煽る行動を取った。
「また…こんなにして」
ジーンズが腿まで下げられた。 跪いた涼子の面前で、“ブルンッ”と跳ねて剛直と化した仁志のペ〇スが現れた。それは小刻みに脈動していた。
「…ご、ごめんなさい」
「若いから仕方ないよね。そこに腰掛けて…」
仁志のあまりに情けない顔に、涼子は気にした様子も見せずに微笑むと、イスに座るよう促した。
涼子はジーンズの裾を片足づつ引張って、ようやく仁志の服をすべて脱がせた。
「ふうっ、ようやく終わった。仁志君、そのまま身体洗っちゃいなさい。この服は洗うから」
涼子は仁志の服を抱えて出て行こうとした。
「ちょっと待って!」
仁志は涼子の腕を掴んだ。
「仁志君…?」
「涼子さんも…濡れちゃって脱ぎ難いでしょ…ボクが脱がせてあげます…」
強張った表情に血走った目。涼子には、仁志の考えが手に取るように解った。
だが、彼女は敢えてその思いを受け入れた。