マッドな彼女with俺4-1
マッドな彼女with俺4
「あぁ〜あ」
「どうした稔?
今日はやけにテンション低いな」
「あぁ…駿八か。いや、転校生来ねぇかなぁ…って思ってな」
「それはまた藪から棒にだな」
「あぁ。a bolt from the blueってやつだ」
「…なぜ英語?」
「可愛い女の子がいいよなぁ」
「おい、無視すんな。
てか、そう都合良く来るわけないだろ」
「おはよー」
「おお、蒼衣ちゃん。
おはよう」
「おっす、蒼衣」
「あっ、そうそう。
さっき職員室の前で聞いたんだけど、今日ウチのクラスに転校生が来るらしいよー!しかも女の子だってさ!!」
顔を見合わせる俺と稔。
そして見事にハモった。
『マジで?』
ガラッ
「おーい、みんな席につけー」
担任の先生(残念ながら男)が教室に入り、朝のホームルームが始まる。
「えー、知ってる奴もいると思うが、今日はこのクラスに転校生が来ている」
『おぉー!!』と言う歓声が巻き起こる。
まぁ、その歓声はほぼ男子なのだが、その内の9割は言うまでもなく…
「可愛い転校生ちゃんとLOVEりーな学園ライフを送るのは、この俺ッ!谷崎稔だぁぁぁ!!!」
稔である。
「…谷崎。分かったから、机の上に立つのは止めなさい」
どんだけ興奮してんだよ……って、ん?
な、なんだ?この殺気は??
「……殺してやる殺してやる…あの変態スケベ浮気男め…殺してやる殺してやる………ブツブツ…」
あ、蒼衣ちゃんが呪いの呪文を唱えている!?
稔…死んだな。
「えー、では入って来なさい」
担任がドアに向かって声をかける。