マッドな彼女with俺4-7
…一体何が起こったのだろうか?
何が…何があったんだ??
今さっきまで立っていた不良共は倒れ、代わりに星さんが立っている。
確か、叫んでいた星さんが急に立ち上がって…それから……
訳が分からないでいると星さんと目が合い、こっちへ近付いて来た。
そして俺の前まで来ると、星さんはあの分厚い眼鏡を外した。
「星さん…?」
眼鏡の下には温厚な星さんからは考えられないような切れ長の鋭い目があった。
何と言うか、とても冷たい目だ。
見下すように倒れている俺と香澄を見て、しばらくしてようやく口を開いた。
「女を守ることのできない男はクズだ」
俺は驚いた。
そんなことを星さんに言われたことに対しても彼女の声が信じられないくらい大人びていて、やはり冷たかったことに対しても。
「えっ…それってどういう…」
俺の言葉が終わる前に星さんは体育倉庫から出て行こうとする。
「ちょっ…待って、星さん!」
すると星さんは振り返らずに言った。
「一つ言っておく。
私はお前の知っている星奏ではない。
私の名前は星ミサト。星奏のもう一つの人格、それが私」
それだけ言って星さん、いや、星ミサトは去って行った…
続く