マッドな彼女with俺4-6
「何だお前は?さっさと帰った方がいいと思うが…それとも俺たちと遊びに来たのか?」
ニヤニヤと香澄に話しかける。
「遊びに…そうね、遊んであげてもいいわよ。
あと4人、何ならまとめてかかって来なさい。一人ずつだと時間がかかるし、面白くないわ。
だって、あなたたち見るからに弱そうなんだもの」
「…女だと思って聞いてればいい気になりやがって!!」
不良共は4人一斉に香澄に襲いかかった。
だが、香澄は焦る様子もなく冷静に攻撃を避けて、逆に次々と流れるように攻撃を繰り出していく。
「す、すげぇ…」
思わず口に出してしまうほど鮮やかな闘いぶりに感心してしまう。
本当に香澄は何でもできる…天才なんだ…。
あまりの凄さに見とれてしまっていたが、気が付けば不良共はあと1人を除いてのびていた。
「さて、後はあんただけよ」
「くそっ…」
後退る不良ににじり寄る香澄。
力の差は歴然としている。
このままいけば香澄が勝つのは時間の問題…のはずだった。
俺も香澄も心のどこかで油断していたのかもしれない。
だから気付けなかったんだ。
香澄の後ろにもう1人、一番初めに倒したはずの不良が再び鉄パイプを持って近付いていたことに。
「香澄!危ないッ!!!」
「…え!?」
俺は咄嗟に叫んだが、遅かった。
ドサッ!
後頭部を殴られた香澄が俯せになって倒れた。
「あぁ…!!香澄!香澄ッ!!かすみーッ!!」
必死になって呼び掛けたたが、香澄は全く反応しない。
「はぁはぁ、手間取らせやがって…」
「でも、これで邪魔者は消えたな」
2人の不良は星さんの方へと目を向けた。
「い…や……いや!こ、こないで……ください…」
星さんはかすかな声で怯えている。
俺は体を動かしてみようとはするものの、俺の意志に反して動く気配はない。
畜生ッ…
そして不良共は星さんの腕を乱暴に握った。
「やっ……た、たすけて……助けて!ミサトちゃん!!助けて!!」
その刹那。