マッドな彼女with俺4-5
「あぁ?
何だテメェは?」
「うるせぇ!お前ら、星さんから離れやがれ!!」
俺は星さんから不良を払い除けようとした。
「チッ…うぜぇガキだな!!」
5人の不良の内、その1人が殴りかかって来る。
パッと見、そうは見えないだろうが、俺は小さい頃から空手を習っていてケンカは一度も負けたことがなくて………って世の中そう上手くはいかない。
空手なんてちっともやってなかったし、ケンカなんて小学校の時以来だ。
勢いで追いかけて来たのはいいものの、そんな俺が不良相手に勝てるわけもなく。
「がはっ!」
何もすることができずに無様に殴られ、ボコボコにされるだけだった。
「はっ、こいつクソみてぇに弱いぜ!一体何しに来たんだよ?」
下品な笑いをする不良共。
「ほ、星さん……にげて…」
「黙れ!」
倒れている俺の顔を足で思いっきり踏み付けられる。
「ぐっ!!」
くそ……自分が情けない…ッ!!!
「へへへ、何かいい加減飽きてきたし、そろそろ終わらしてやるよ」
不良が鉄パイプを手に取り俺に見せつける。
ッ!
やられる!!
そして、それを大きく振りかぶった。
「死ねぇぇ!!」
鉄パイプは寸分の狂いもなく、俺の顔に目掛けて…
ドゴッ!!
「ぐげあっ!!!」
………だが、悲鳴をあげたのは俺ではなく、その不良の方だった。
「駿八ッ!!大丈夫!?」
「か、香澄……ど…うして…」
「あの後どうも胸騒ぎがして、駿八の後を追ってたのよ。そしたら、駿八がボコボコにされてて…もう余計な心配かけないでよ!
今回は無事だったから良かったけど、これからはこんな無茶な真似はしないで!!」
「すまん…」
「…まぁ、重い御仕置で許してあげるわ。後は私に任せなさい」
そう言って香澄は俺の前に立ち、不良共と対峙する。