『壁の向こう』-7
「んああっ!!!」
その衝撃に亜弥の体が弓なりにのけ反り、渉のものがきつく締め付けられた。しかし渉はそれを無視してさらに激しく腰を打ち込んでいく。
「はああっ!!うあ…あああっ!!ふうっ!あああああーっ!」
亜弥は髪を振り乱しながら声にならない声をあげて渉にしがみつく。
「くっ…上原さん…」
「や…あああっ!気持ち…いい…んああっ…!」
「そんな締めたらすぐ出ちゃいます…っ」
久々のセックスの快感に渉はのまれそうになっていた。
(やば…ほんとに…)
「うあ…あああっ!」
射精感が込み上げ、渉は思わず腰を引いた。
「だ、だめ抜かないで!」
亜弥が足を絡めて渉の動きを止める。それどころか腰を浮かせてゆっくりと回し始めた。
「上原さん…出ちゃいますって…!」
「いいよ…出していいから…中にいっぱい…」
「そんな…うああっ…もう…」
渉は亜弥の腰をがしっと掴むと、最後の力を振り絞ってめちゃめちゃに攻め立てた。亜弥の中を蹂躙するように掻き回す。グショグショに濡れたそこから卑猥な音が部屋中に響き渡った。
「あああああーっ!!いいーっ!!!」
「いくっ…ああ…うああっ!!」
渉は動きを止めると亜弥の一番奥で精を爆発させた。
「ああっ!はぁ…はぁ…」
亜弥はうっとりと目を閉じてその感触を子宮で味わっていた。渉は亜弥の耳に唇を押し当てて荒い息を整えながら、何度も自身を痙攣させ最後の一滴まで亜弥の中に注ぎ切った。
「何だかすみません…」
息が整い汗が引いたところで渉は冷静さを取り戻し、自分のしたことを考えて先程とは違う種類の汗が吹き出してきた。亜弥から体を離してベッドから足を下ろす。
「そんな…神崎くんは悪くないよ。誘ったのあたしだし…」
亜弥は横たえていた体をゆっくりと起こし渉の顔を見つめる。カーテンを通して見える光がオレンジ色になっていた。部屋全体が暖い色に染まっていく。
「うれしかった。ありがとう…こんなセックスを経験できるなんて…離婚した価値あったわ」
そう言って亜弥がいたずらっぼく笑った。
「そんな…俺すぐ出しちゃったしほんと情けないです…」
がっくりとうなだれる渉を亜弥は後ろからそっと抱き締めた。