菓子<ALLEGORY>-1
「リコってぇ、お菓子に例えるならぁ、フルーツパフェじゃない?」
そう言いながらボクの好きな人はフルーツパフェを注文した。
まぁ確かに、派手だしアマアマな見た目だし生クリームみたく色白だけど。
「じゃないっ!?」
ずいっとボクに顔を近づけてくる。そうだね、とボクは相槌を打った。
「やっぱそうだよねぇ。だってリコ、カワイイもんね。フルーツパフェみたく」
またそうだね、と頷く。
「で、香はね芋ようかん」
「ボク、芋ようかんなの?」
キャハハと手を叩いて愛理子は笑った。
「だって何かモッサイしぃ、リコに甘いしぃ、トロイしぃ、ボクとか言って地味メンだしぃ、正に芋ようかんじゃーん!」
「愛理子がそういうなら芋ようかんなんだろうね」
残念ながらファミレスに芋ようかんは無かったので、ボクは宇治あんみつを頼んだ。
「香さぁ、もう少し明るくなればぁ?そんなダッサイ眼鏡辞めてコンタクトにしたらいいのにぃ」
「眼鏡が落ち着くんだ」
「ふーん。リコ、地味な奴キラーイ」
愛理子のフルーツパフェとボクの宇治あんみつが運ばれてくる。
「そう」
ボクたちはスプーンを手に取った。
「クレープとぉワッフルとぉイチゴいっぱいのケーキとぉアイスクリームだーい好き!」
「そういうの愛理子っぽいよ。似合う」
「当たり前でしょ〜?でもぉ」
またぐっと愛理子は顔を近づけて来た。
「リコねぇ、芋ようかんも好きぃー」
「うん、知ってる」
数日後のバレンタインデーにボクは、愛理子からリボンの付いた芋ようかんを貰った。
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