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こーゆうのもアリなワケで…
【SM 官能小説】

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鮮やかに凛として-4

「…ねぇ、アタシのこと、避けてない??」

遊佐子は突如、表情を一転させ千歳に尋ねた。

頬にかかった後れ毛を指先で玩びながら千歳に発した不意打ちのその一言。

千歳は腕を組み、乾いた唇を舌で舐めて湿らせた。

……言葉が出てこない。

いつも適当に発して適当に女子のを気持ちよくさせ、適当にその場をしのぎ、適当に自然消滅へと導く言葉が出てこない。

腋の下が、嫌な湿り気を帯びてきた。

千歳は遊佐子を見据える事ができなくなり、顔を背けた。

口元に手を当てて、退路を探すが、獲物を見据えその瞬間を待つ狩人のように冷めた視線を放つ遊佐子からは容易に逃げられそうにはないだろう。

顎を指で撫でると無精髭の気持ちいいと不快の間の妙な手触りの感覚に溺れながら、千歳は遊佐子の次の一手を覚悟を決めて待つことにした。

「…別にアタシのコトを避けてもいーケド。…避けてもイーけどね、アタシ、そーゆうことは誰とでもする主義じゃないから」

「はぁ?」

顔を少し赤らめ、少しむきなって話をする遊佐子。

そんな遊佐子は本当に千歳より大人なのかと疑いたくなる。

「だーかぁらぁ、アタシ、誰とでもそーゆうことしない人なのぉっっ!!!喜屋武クンだからってゆーか…。あの時、お酒も少し飲んでたし、地雷ふんじゃったよーなコトしちゃったってゆーか……。アタシ、ホラ、一応結婚してるじゃんねっっ!!でもね、でもね、喜屋武クンの事は、ちゃんとそれなりに思ってるってゆーか、そーゆーのなのねっっ。でね、その……」

つか、ホントにこの人は32歳かと突っ込みを入れたくなるようなしどろもどした物の言い方に千歳は噴出しそうになってしまった。

耳まで真っ赤にして言い訳らしい事を必死で言う遊佐子。

そんな遊佐子は高校生くらいの少し意地っ張りなオンナのコそのものだ。

思わず千歳の頬は緩んでしまう。

その千歳の慈愛に満ちた表情に遊佐子は拍子抜けし、戸惑った視線を千歳にぶつけた。

「なによぉ……。コッチが真剣に話をしてんのに、ニヤニヤしちゃってさぁ。ちゃんと、ホンキでハナシをしてよぉ」

遊佐子が千歳の沈黙に耐えれなくなり、千歳の腕を掴んだ。

頬を赤くし、ムキになった表情がマジでたまらない。

つか、これで人妻ってマジ反則だよ。

何かを言おうとして唇が薄く開いた瞬間、千歳は自らの唇で遊佐子の唇を塞いだ。

千歳の舌から逃げようともがく遊佐子の舌を執拗に追いかけ、しっかり抱き締める。

その間に遊佐子の身体もしっかりと抱き締め逃さない。


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