想いのいきつく果て〜揺れる想い〜-3
『…何なん…何があったん』
RRRRR……
『電話?』
音のなるほうへ行くとしののズボンの中から携帯がなっている。
逸る衝動を抑え切れずポケットの中に手を突っ込む。ディスプレイには『ひろ』の2文字…
『ひろって誰なん…』
携帯を開いた。
通話ボタンを押し、耳にそっとあてた。
「……」
「あ…もしもし、しのくん?」
「!?」
「あれ…もしもし?聞こえる?」
「…あんた誰?…」
「え?あっごめんなさい、間違え…」
「しの…今シャワー浴びてるんやけど何か伝える?」
「!?…あ…」
向こうで息をのむ音が聞こえた。
電話の向こうはただの友達じゃない、一瞬でわかった。
「…あんた、しのの何なん?」
「……あ、あの、ごめんなさい…」
「…あたしはしのと付き合ってるんやけど、あんたはどうなん?」
「…ごめんなさい…又かけ直します…」
「ちょっと…」
電話が切れた。
「…何なん…」
心臓の音がうるさいくらいバクバクいってる。
今の女、しのの何なん…
シャワーの音がやむのがわかった。
慌てて履歴を消してズボンの中に戻した。
バスタオルを腰に巻き、濡れた髪を無造作にふきながら出てきたしのを睨む。
私の視線にも気付かず、ポケットの中から携帯を取出してチェックしている。
『…そんなに、ひろって女が気になるん?しのにとってそんなに大事なん?』
言いたい気持ちをグッと抑え、無理矢理笑顔を作り、しのに微笑む。
「しの」
しのが振り向いたと同時にキスをした。
頑なに拒むしのを無理やり押し倒した。
股間に手を這わす。