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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第七話 「差し込む光」-11

「くっ、くそぉ、そんな隠し扉があるなどと、愛美、ワシに教えなかった……」

「その前に、何か言う事があるだろ?」

 すかさず楓さんが狸の手をひねり、カメラを奪う。

 形勢を不利と判断した哲夫は襖のほうへ走るが、真琴がそれに追いすがる。

「逃がさないぞ!」

「怪我したくなかったらどけ……」

 拳を握り締め、威嚇するようにジャブを繰り返す。

「はいはい、危ないから真琴君は後ろに下がってて……」

 理恵さんは真琴を押し退け、哲夫に歩み寄る。相手は丸腰だけど、かぼそい理恵さんで平気なの? まだ真琴の方が……。

「ねえ、その貧相なモノ、しまったら? 見せるほど大きくないんだし……」

 フンと鼻で笑う理恵さん。やっぱり小さいサイズなんだ。

「てんめぇ! バカにしやがってぇ! 女だからって承知しねえぞ!」

 哲夫は怒りにまかせ、理恵さんに襲いかかる。

「人を見かけで判断すると……」

 理恵さんは向かってくるその手と、まるで握手でもするかのように掴み、すれ違うように脇をすり抜け、捻り上げる。そして、ベキンと聞きなれない音がした後、哲夫は崩れ落ちる。

「外しただけよ……でもあんまり動くと、他の場所まで傷がつくから気をつけて」

「理恵さん、スゴイ……」

「理恵は柔道と合気道の有段者なんだ……」

 頭をかきながら楓さん。なるほど、頭が上がらないのね。

「それより真二さん、もう言い逃れは出来ませんよ、観念してください……」

 すっかり立場も逆転し、追い詰められた狸の顔は、そのフクロのような皺だらけの惨めなものになっていた。

続く


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