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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第六話 「真実を探して」-5

◆――葉月真琴――◆

 僕は楓さんに無理を言って鍵を貸してもらった。
 実はさっきのドサクサにまぎれて僕はある実験を行っていた。愛美さんの持つ鍵で椿さんの部屋の鍵を回してみる。結果は難なく開いた。試しに僕の部屋の鍵を使ったけど、さすがに無理だった。
 僕はもう一つの仮定を試そうと楓さんから鍵を借りようとした。けれど、楓さんは「鍵は預かりモノだから」と渋る。
 その代わり部屋を空けてくれたので、調査だけはしておこうと思う。

 楓さんの部屋の目立つ点は他の部屋より少し狭い程度で、他の部屋同様ベッドとテーブル、それと少し背の高いクローゼットがある。

「どう? 少しは進展があって?」

 振り返ると理恵さんがいた。この人はどうも苦手……いや、今はそんなこと言っている場合じゃない。澪が言っていたことを確かめないと。

「理恵さん、昨日は哲夫さんと何を話していたんですか?」

 もう少しひねりを加えるべきかな?

「あら、真琴君も見ていたの……まったくみんな悪い子ね。でも、それを教える必要は無いんじゃなくて?」

「ええ、確かに弁護士には守秘義務がつき物です。でもそれとは別にもう一つ、忘れてはいけないことがありませんか?」

「……何のこと、かしら?」

 表情は変えず、それでも言葉に若干の間があった。

「弁護士が遺言書の公開を依頼された場合、中立の立場を保つ為、公開の日まで相続権を持つ遺族との接触を制限しなければならない……でも、理恵さんは既に真澄家で三日も寝食を共にしている。これは立派な職務違反です」

 もちろん僕は弁護士法なんか知らない。ただのでまかせだ。

「そうねぇ、真琴君の言う事はもっともだわ……けど、遺言書が紛失されたんだし、多少のイレギュラーはあるんじゃないかしら?」

 動じた様子を見せまいと饒舌になる理恵さん。僕はさらに揺さぶりをかけることにする。

「どうして最近になって遺言書を公開することになったんですか? 藤一郎さんがなくなってかなり間があいているっていうのに」

「それは遺言書の公開日の指定かしらね?」

 だんだん言い訳が苦しくなる。だけど理恵さんは楽しそう。

「夏休みの宿題じゃないんですから、公開日ギリギリになって探すなんて変ですよ」

「んー、あたしって溜め込むほうだから」

「理恵さん、弁護士じゃないですね?」

「……まあね。結構ボロが出たみたいだし、認めるわ。私は弁護士じゃなくって、ただの学生よ。ちょっとからかっていたら皆ころっと騙されるから楽しくて……。でもこのことはみんなに内緒にしといてよ? じゃないと……」

 また例の笑顔……。

「はい、解っています。それより教えてください。どうしてお二人は別荘に来たんですか?」

「椿さんに呼ばれたのよ、楓がね。それで私も暇だったし、ついてきたって訳よ」

 まったくこの人は……。
 でも、これで理恵さんと真二さんが繋がっていないことが分かったわけだし、よしとしよう。


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