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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第六話 「真実を探して」-3

***―――***―――***

「えっと梓、梓さん……お茶を淹れたよぉ……」

「ありがとっ!」

 あたしがティーセットを運ぶと、梓は乱暴にカップを奪う。

「ちょっと梓、澪さんに失礼……」

「なに!」

「なんでもない……です」

 椿さんは妹の非礼を咎めようとするが、その剣幕に圧され言葉を飲み込む。

「椿さんもどうぞ……」

「ごめんなさい、澪さん……」

「いえ、いんです」

 なんであたしがメイドの真似事をしているかというと、愛美さんが見当たらないことと、お茶の用意をしようとする椿さんを梓が遮ったためだ。

 二人はお昼を過ぎた頃に戻ってきた。どうやら探していた物が見つからなかったらしく、何軒かお店を周っていたらしい。そのお詫びとして買ってきたのが、この紅茶なんだけど、梓の怒りは収まることなく、追求の手を休めない。

 一方、共同戦犯の楓さんは梓の様子に驚いたらしく、真琴が何かを聞きに来たのをいいことに、理恵さん達と一緒に二階に引っ込む。あたしも一緒に逃げればよかった。

「姉さん、何処かに行くなら一声かけてよ! 心配したんだからね!」

「だって梓が見当たらなかったから……えっと、その、ゴメンなさい」

 小さく舌を出しながら、手を合わせる椿さんは実年齢より若く見える。
 ん? なんか変じゃない? だって昨日は梓……。

「それでも書置きするぐらいできるでしょ!」

 ものすごい剣幕の梓に、あたしまで縮こまってしまう。

「ま、まあいいじゃない、こうして美味しいお茶を飲むことができたんだし……」

 でも、愛美さんが淹れてくれたお茶と比べると上手く香りが立たない。なんでだろ? やっぱりコツがあるのかな? なにか魔法の言葉を言うとかさ。

「澪は黙ってて! ……もう、姉さんは真澄家の当主として自覚があるの? 大体姉さんがしっかりしていないから真二叔父さん達にいいようにされちゃうのよ! いい、これからは……」

 くどくどとお小言を繰り返す梓はなんだか小姑みたい。でも、椿さんを責めるのも心配しているからこそだと思う。なんせ相手は手段を選ばない卑劣漢なのだし。


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