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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第六話 「真実を探して」-2

 テーブルにはスコーンとスープが三人分あるけど、誰もいない。
 誰も見ていないのを確認してからあたしはお皿に口を付けてスープを飲む。なんていうか、スプーンでちょびちょび飲むのはかったるいし。ついでにスコーンを放り投げて口で受け止める。
 うん、味もキャッチも一〇点満点!

 あたしが一人お行儀悪くブランチを楽しんでいると、二階から慌ただしい物音がする。
 やれやれ、さすがに三日目になると驚くより呆れるわ。どうせまた狸でしょうけどね……。

 仕方なく二階に向かうと、椿さんの部屋のドアが開いており、真琴と梓がいるのに、肝心の椿さんがいない。

「真琴、椿さんはどうしたの?」

「それが今朝になって何処にもいないんだ」

 それは見れば分るけど、いったい何処へ?
 ふと哲夫の台詞を思い出す。

『……そんなの椿を少し脅かせば……』

 まさか誘拐! でもあいつならやりかねない!

 あたしは哲夫の部屋に向かい、ドアを叩く。しかし人の気配は無い。
 続いて狸の部屋に向かうが、こちらも同じ。

 真琴が愛美さんから鍵を借りてきてドアを開けるが、やはり誰もいなかった。
 既に連れ去られたとか? 人を閉じ込めるなら地下室がなんかが丁度いいし。

「あたし、蔵を見てくる……」

「待ってよ、澪一人は危ないよ。楓さんも呼んでみんなで行こう」

 哲夫のことを考えるとあたし達だけではどうしようもないので待つことにする。だけど楓さんの部屋のドアを叩いても返事が無い。

「楓さん! いないんですか? 入りますよ! あれ……開かない?」

 何故か鍵が合わず、ドアは閉まったまま。マスターキーじゃなかったの?

「ちょっと貴方達、そんなに騒いでどうしたの?」

 階下から理恵さんがやってきた。そういえばこんな人もいたっけ。

「椿さんがいないんです。それに楓さんも……」

 あたしはこの人が信用できない……なのに、真琴は状況を説明してしまう。
 まったく、綺麗な人に弱いんだから!

「楓なら椿さんに頼まれて車出していたけど、何か用だった?」

「椿さんは無事なんですか?」

「無事って、そんなに心配なら電話するけど……」

 理恵さんはあたし達の様子に少し怯みながらも携帯をいじり、二言三言会話をしてから梓に携帯を渡す。

『あら梓、何かあったの?』

「姉さん、何処行ったの? 心配してんだから! っていうかなんで楓さんと一緒に?」

『あぁ、えっと……ごめんね、すぐ帰るから……』

「ちょっと、姉さん! まだ話は終わってないわ……もう、勝手なんだから……」

「ね? 何も無いでしょ?」

 梓が携帯を返すと、理恵さんはからかうような微笑を浮かべながら言う。
 あたし達が何を警戒しているのか知っているくせに!
 ……でも、なんで椿さんは楓さんに頼んだの? 愛美さんがいるのに。


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