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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第二話 「真夜中のカクレンボ」-1

【僕とあたしの夏の事件慕】

第二話 「真夜中のカクレンボ」

◇――香川澪――◇

 夕食になり、八人で囲む食卓に愛美さんの運ぶ料理が並べられる。
 結局、弁護士さん達も二、三日滞在する事になったみたい。まあ遺言書の公開って
いうんならしょうがないよね。
 でも我慢できないのは真二さん達。自称後見人として椿さん達の保護者気取りでウザイ。

「それで、藤一郎氏の遺言書は……」

 食事時くらい生臭い話は控えてもらいたい……というより無関係の人間が半数を占
めるのだし、少しは空気をヨメ。

「真二叔父様、私の友達もいますのよ。そういう話は控えてくださらないと!」

「これは失礼……しかし、こういう話はしっかりしておかないと」

 まったくこの狸親父は……なんだかこの雰囲気で食事をするのは嫌だな。

「ワシも君達の後見人として……」

 そんな思いをよそに、狸は話を続けようとする。せっかくの白身魚のソテーも山菜
入りの炊き込みご飯も味が薄れちゃう。

「これ美味しいですね!」

 突然真琴が中央の皿を指差して叫ぶ。その冷めた空気にそぐわない明るい声にあたしはぎょっとした。

「ちょっと、指差したりしないの。恥ずかしい子ね、真琴は……」

 やっぱりこいつはバカだ。あたしがついてないとろくなことをしない。

「ゴメン、あんまり美味しくて、つい……」

「真琴ったらホッペタにホワイトソースがくっ付いてる……」

 あたしはナプキンで真琴の頬を拭ってあげるけど、本当にこの子高校生なのかしら?

「うん、確かに美味しいね。これ、全部愛美さんが作ったんですか?」

 今度は楓さんが口を開く。

「お口に合いまして光栄です。葉月様、どんどんお代わりして下さいね。まだまだたくさんありますから」

 愛美さんは笑顔で真琴の空いた皿にお代わりをよそる。
 少々強引だけど場の空気が和んだ気がする。さすがの狸もこの雰囲気では話も続けられず、フンと鼻息を荒げて料理をつつく。なるほど、真琴のバカもたまには役に立つんだ。

「ねぇ椿さん、泊めてもらっておきながら悪いんだけど……部屋、できれば楓君とは別にしてもらえないかしら? 助手とはいえ他人に見せられない書類もありますし」

 これでようやく気分良く食事に集中できる……と思ったら、今度は理恵さんが口を開く。

「そうですね、でも部屋が無いから……」

 少し困ったような顔の椿さん。そういえば客室は全部で五つ。となると、誰かが相部屋にならないといけないのか。


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