僕とあたしの夏の事件慕? 第二話 「真夜中のカクレンボ」-9
「やぁ、くふぅ……い、いい……」
まるで熱病に冒された患者のように、言葉にならない呻き声を漏らす僕……。
苦しいなら逃げればいい……だけど、高鳴る心臓の鼓動に比例し、その先を知りたい自分がいる。
「真琴君、我慢しないの……私の手でイッちゃいなさい!」
理恵さんの親指が亀頭を強く弄ったのをきっかけに、陰茎の奥にたまった何かが堰をきったように尿道を走る。
「り、理恵さん僕、オシッコ……オシッコでちゃいます、手を離してください!」
意思とは無関係に腰がカクカクと動き、陰茎の先からビュクッ、ビュクッと、オシッコともカウパーとも違う粘液を、勢いよく吐き出す。
「あ、あ、あ……何これ……」
身体の内側が他の誰かに絞られる感覚。痛みに似た心地よい感覚。神経が股間に集中するジュンとした感覚。いずれの感覚にも共通するのは、快感であること。
「あらあら真琴君、こんなに出して……」
快感を伴うおかしな律動と排出が納まるまで、僕は前のめりに突っ伏した。
「オナニーよりずっとイイでしょ?」
「こんなの……初めてです……」
気持ちいいけどすごく恥ずかしい。なんていうか、隠しておきたい自分の一面を無理矢理暴かれたみたい。
しばらく荒い息を続けていると、次第に快感も納まり始める。
もう大丈夫と思い、身体を起こそうと手をつくとぬるりと滑る。
手には青臭い嫌な匂いを放つ粘着質の液体がこびりついていた。
多分、僕が出したものだと思うけど、興奮のせいか全然気付かなかった。
「これ、なんですか……すごく臭いですけど、オシッコじゃない……」
手についた粘液をしげしげと見つめていると、頬に手が添えられる。
「もしかして真琴君の身体、何処かおかしいのかもしれないわ……私が診てあげる!」
その手は微弱ながらも逆らえない力を持ち、ヤブ医者の思惑のまま患者は動かされる。
「さ、リラックス、リラックス……」
立ち上がろうとしても変な姿勢を続けたせいか足が痺れ、股間からは未だにピクンピクンと甘い信号が送られ、動くのを邪魔する。仕方なく壁を背にして腰を下ろす。
理恵さんはそれを合意と受け取ったらしく、笑顔で号令を続ける。
「足も開く!」
言われるまま足を開くけど、トランクスは脱がされているから下半身は丸出し。
さっきのキツイ感じは無いけど、それでも上を向いて反り返っているのが恥ずかしい。