僕とあたしの夏の事件慕? 第二話 「真夜中のカクレンボ」-8
「真琴君、どこへ行くつもり?」
腰をがっちり掴まれ、同時に背中に重みを感じる。必死で悪あがきをするが、柔道の押さえ込みをされたみたいで、その締めを解くことができない。
「僕は一階を探しますから……」
「ダメ……」
耳元に優しく息を吹きかけられると全身の力が抜け、床につっぷしてしまう。
理恵さんの手が僕のトランクスに触れる。
「や、やめてよ!」
予期しない行為に甲高い声で叫んでしまう。が、理恵さんはお構い無しに、暴かれたモノを掴む。
「ヒャウッ! さ、触らないで、ください……」
直にオチンチンを触れられたのは初めて……。耐性の無い僕の身体は素直に反応し、一瞬で海綿体に血液が集まる。
「やっぱり……真琴君の結構、大きい……」
勃起した陰茎を弄りながら理恵さんは嬉しそうに呟く。
「理恵さん……もう、いいでしょ? は、離してください……」
勃起した様を見られるという男子特有の恥ずかしさに、僕は涙声で許しを請う。
「なーに言ってるの! まだまだこれからよ?」
理恵さんはその情けない声に嗜虐心をくすぐられたのか、舌なめずりしながら陰茎を前後にしごき始める。
「や、やめて、ください!」
理恵さんの手は少し冷たく、すべすべしているけど汗のにじんだ陰茎はしごかれる度に皮が引っ張られ、痛い……ような……?
「我慢なさい! すぐに良くなるから……」
いったいなにがどう良くなるのか分からない僕は、理恵さんの拷問が早く終わることだけを願い、固く目を瞑る。
……チュプッ……ニャプッ……ニチュ、ニチュル……
かすかだが、耳に滑り気のある音が届く。でも何処から?
「オチンチンからカウパー腺液が出てきた……」
「はぁ、はぁ……カウパー……? なんですか……それ?」
「気持ちよくなるとオチンチンの先か出るオツユのコト……まだ痛い?」
股間に意識を集中する。
指と指の間にカリ首が挟まれ、鈍く擦られる度に亀頭が痺れるような感覚を持つ。
筋張った尿道をなぞられると、鈴口からオシッコとは違う粘液が搾り出される。
「えっと、痛くないです。でも……ジンジンします」
「はい結構。それが男の子の生理現象です」
僕の身体は明らかに異常な反応を示すけど、これが生理現象なの? これが気持ち良いの?
「真琴君はもっと、もぉっと気持ちよくなるんだから……」
四つん這いになり、後ろから回された手で陰茎をしごかれている……だんだん目の焦点がずれ、舌先が何かを求めるように空を彷徨う。
扱く手が早まるとそれに追随して信号も強まり、さっきまでの痛みがウソのように消えてしまう。
そして訪れる快感……。
僕の身体が変だ……。こんなことされて気持ち良くなるハズないのに……。
冷静に状況を把握しようとするが、荒くなる息がそれを邪魔する。