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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第二話 「真夜中のカクレンボ」-4

「でも、真琴の何処が気になるの?」

「優しいトコ……」

 今度はモジモジしながら俯く。なんだか修学旅行の夜みたい。

「他には?」

「んー、瞳かな……真琴君に見つめられると、なんだかパパを思い出すの……」

「ふーん、そっか……」

 お父さんに似てるんだ……真琴。なんだか悪いこと聞いちゃったかも。

「それより、何か手がかりとか無かったの?」

 今度はうってかわって真面目な顔になる。あたしも変な胸のしこりを忘れようと、少し大げさに頷く。

「手がかりっていっても、今日はずっと一緒だったじゃない。それよりあの真二とかいう人なに? かなり強引な人みたいだけど」

 さっきの食堂の一件を考えれば、狸は真澄姉妹のことよりも藤一郎氏の遺産に興味があるみたいだし。

「真二叔父さん、私の叔母様と結婚して真澄姓になっただけで、本当は真澄家とは縁もゆかりも無いのよ。それなのにパパが事故にあったことを聞きつけて、後見人なんて名乗り出して……」

 まるでサスペンスドラマみたいな展開ね。

「あの哲夫って奴は?」

「あいつは真二叔父さんについて回る、はっきりいって迷惑な奴よ。何かっていうと私に絡んでくるけど、もしかして私に気でもあるのかしら……あーヤダヤダ」

 肩を抱いて震える梓は、心の底から嫌そうに言いきる。でも、あたしもあの人はパスだな。生理的に受け付けないっていうか、そんな感じ。

「でも、真二さんの甥なら遺産の相続権は無いんじゃないの?」

「多分、真二叔父さんにそそのかされたんじゃない? でもわからないのは、弁護士の理恵さんと楓さんね……姉さんもなんで泊めるのかしら?」

 それはあたしも同意見だ。
 弁護士とはいえ、即信用するのはおかしいし、公開を依頼されているハズの遺言書のありかが分らないのもひっかかる。

「明日、また探してみましょう? いくらあの狸親父でも、遺言書さえあればでしゃばる事だってできなくなるだろうしね」

「うん、ありがと……」

 素直な感謝の気持ちに逆に面食らう。だけどこれが本当の梓なのかな?
 なんだかんだ言っても、梓もあたしと同じ十七歳なんだし……。


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