傷痕は誓いの印 〜傷痕side RYU〜-2
初めて抱いてから、ずっと変わらず千歌が達するときに背の傷を撫でるのが癖になっていた。
俺の下に組み敷かれた千歌が俺の名を呼んで、俺にすがる様は鳥肌がたつほどぞくぞくした。
きめ細かい肌に、ふと感触のちがう瞬間を指先に感じた。
これは、千歌の傷痕。
俺のものだという印。
たまらなかった
いつしか背がとくに敏感になる千歌を知れば、自分がそう仕向けたんだと嬉しくなった。
いつも求めすぎて千歌が気絶するように眠るなかで、たくさん体に口づけた。
跡を残すように強く口づけた。
その跡は傷痕と同じように深い赤だった。
あぁ、――似てる
そのたびに緩む顔をおさえられなかった。
似てたってちがう。
全然ちがう。
こんな一時の印なんてなくても、千歌には消えない印がある。
千歌は一生俺のもの。
誰にもわたさない。
千歌が俺のことで不安になる様を見るのは楽しい。
はやく誓いの日がくればいい。
一生切れない鎖で縛ってやりたい。
千歌が永遠を誓うとき、やっと俺の永遠がはじまる。
ずっと好きだった。
千歌の全部が俺のもの。
もうすぐ。
もうすぐ、俺だけの永遠が千歌の誓いで、本物の永遠になる。
この獰猛さが、満ち足りる日がやっと来る。