僕とあたしの夏の事件慕? プロローグ 明日から夏休み!-1
【僕とあたしの夏の事件慕】
プロローグ 明日から夏休み!
◇――香川澪――◇
「……ということもありますから、夏休み中もあまりはしゃぎ過ぎず、高校生として自覚と責任を持って……」
教壇では担任の佐々木先生が夏休み前の注意事項を話してるけど、残念ながら誰一人として真面目に聞いてない。当たり前か……もう高校二年生なんだしね。
今更『危ない場所には一人で行かない』、『門限は六時』なんて言われても守るはずないよ。
それに来年は大学受験や就職活動なんかの進路を決める重要な年だ。
即ち、今年の夏休みは青春時代を楽しむ最後のチャンス。
当然、あたしも全力で楽しむつもり!
「それではみなさん、有意義な時間を……」
ようやく終わった長話にみんな笑顔で騒ぎ出す。多分、夏休みの予定とか、期待がいっぱいなんだろうな。
海へ行ったり、お祭り行ったり、街に出て新たな出会いを探したり、あわよくば素敵なアバンチュール……。楽しいことが目白押し!
なのに、あたしは一人頭を抱えてる。
「澪、どうしたの? 変な顔して」
クラスメートの香苗が心配そうに声をかけてくれたのでこれ幸いとすがりつく。
「ああーん、香苗ぇ! どうしよう……明日から予定が無いのよー」
本当は色々妄想してた。けど、根っからのめんどくさがりで、どうしても計画っていうのを立てられずにいた。
その結果がこれなわけ……。