僕とあたしの夏の事件慕? プロローグ 明日から夏休み!-6
「梓さん、澪もいいでしょ? お願いします」
梓の手を取って必死に頼む真琴に当の梓は頬を染めつつ、困ったような顔で考え込む。
しばらく見つめ合い、思い出したようにあたしに向き直ると高らかに宣言する。
「仕方ないわ……澪も来なさい」
「へ?」
何故に命令口調?
「ありがとう、梓さん」
「おい!」
「いいのよ、真琴君の頼みだもん」
「ちょ、ちょっと何であたしまで行かないといけないのよ。つか、あたしの意見も聞きなさいよ!」
そんな抗議をよそに、二人は手を取り合って廊下を歩いていく。
あたしは一人残され呆然とするけど、結果的に夏休みの予定が出来たわけだし、ここはやっぱり喜ぶべきなのかしら……?
続く