僕とあたしの夏の事件慕? プロローグ 明日から夏休み!-5
「それじゃあ、私のお願い……聞いてくれないかな?」
さっきからその間はなに! イライラするわ!
「お願い?」
真琴も突っ込むトコがたくさんあるでしょ?
「今週の金曜日から一週間ぐらい、私の別荘でお手伝いをしてもらいたいの」
「ええ、いいですよ」
小さくガッツポーズをする梓。
あたしとしては、梓が真琴のお守りをしてくれるなら別に反対するつもりは無い。いつも一緒じゃさすがに息も詰まるしね。
「やったね澪、夏休みは梓さんのところで遊べるよ」
あたしに向き直り、笑顔で報告する真琴。
「はいはい、良かったわね……ってあれ? なんかおかしくない? まさか、あたしも?」
「そうだよ、澪も一緒に行こうよ」
大きな瞳を輝かせてあたしを見る真琴。この子の笑顔にはいつも根負けしてしまう。なのでひとまず視線を逸らし、断る口実を探す。
「そんなこと、急に言われても、あたしだって……その、ねぇ」
「そうよ、澪だって予定ぐらい……あるわよねぇ?」
「そりゃまぁ……」
本当は何も無いけど、面倒ごとに巻き込まれるのはゴメンだ。ここは梓と共同歩調を取って……。
「さっき香苗さんが教えてくれたよ、澪は予定が無くて寂しそうだって」
あのバカオンナ、余計なことしやがって!