想いのいきつく果て-4
「京都まで往復やから帰るの夜中やな、寝とき」
と言い残して・・・
私は眠かったけど、夜中の映画を見ながら、時間を潰していた。
もしかしたら、しのからメールがあるんじゃないかなって期待しながら。
ついさっき知り合ったばかりだというのに。
妙に気が合う
というか、可愛げないと言われ続けた私が、何故かしのの前では、ほんの少しだが普段より素直な可愛げある女になれるのだ。
気にならないっていったら嘘になる。
私の中で10も下の男の子が大きな存在になりつつあった。
私は知らず知らずのうちに眠ってしまったらしい。
静寂の中、けたたましく流れる携帯のメロディに起こされた。
夜中の3時くらいだろうか。
外はしんと静まり返り、つけていたテレビも砂嵐になっていた。
慌てて携帯をとると、メールが入っていた。
しのだ。
『今帰ったで〜。紘子寝てるやろ。また明日な〜』
何か恋人に送るみたいなそんなメールだ。
私はしのが寝る前にメールを見てくれるよう慌てて返事をした。
『お疲れさま〜。
おやすみなさい。
紘子』
ベッドに入ろうとした瞬間、またもや携帯が鳴った。
この音はメールじゃない。
電話だ。
焦ってベッドから飛び降り携帯をとる。
「もしもし?」
「急に電話してごめんな。紘子寝とるとばっか思っとったからメールにしたんやけど、起きとったんか?」
「うん、映画みてた」
「なんの?」
「・・うっ・・・なんだっけかな」
「なんやそれ、見てたんちゃうんかい」
「見てたんだけど、うとうとしちゃって・・はは・・」
沈黙・・・
「俺のこと待ってたんや〜」
突然しのがからかうように笑った。
「ち、違うもん」
「そんなムキんならなくてもええやん」
「ムキになんか・・・」
赤面してるのが自分でもわかる。
電話で良かったと心底思う。