廉くんの不純な一日-3
運命(大げさ?)の土曜日がやってきた。
親父と母さんは、明日の夕方には戻るからと言って朝早くに祖母ちゃんちに行った。
1人になった俺はとりあえず掃除機だけかけると香奈を迎えに行くまで時間を持て余してしまった。
ジーパンのポケットから取り出した物をじっと見つめる。
いわゆるゴムである。
以前に友達からもらった物で使う機会もないまま引き出しに眠っていたのが今日、日の目を見た訳だ。
これを使う展開になるんだろうか…。
妙な妄想に耽ってしまいそうな頭をブンブン振って邪念を追い払う。
とりあえずテスト勉強。
そのために香奈を呼んだんだから。
後は流れに身を任すしかない!
ゴムをポケットの奥に突っ込んで香奈を迎えに行くために家を出た。
香奈の家の前に着くと携帯で呼び出した。
ほどなく香奈が玄関から出てくる。
教科書やノートが入ってるのか少し重たげなバッグを肩にかけている。
自転車の後ろに座った香奈は俺の腰に腕を回す。
「いいよー!」
香奈の声で俺は自転車をこぎ出した。
俺んちの前で香奈は風に乱れた髪型をちょいちょいと直した。
そんな香奈を見てるとついつい笑いがこみあげる。
俺が鍵を使って玄関を開けるのを見た香奈が訊ねた。
「おうちの人いないの?」
下心満載の俺はその質問にやたらとドギマギして答えた。
「あ、あー。急用で出かけちゃって…」
「何だー。緊張して損しちゃった」
屈託ない笑みを浮かべて俺を見る香奈が今の俺には眩しい。
「おじゃましまーす」
誰もいない家に明るく言って香奈は家に上がった。
「俺の部屋、二階の階段上がってすぐのとこだから行ってて」
コクリと頷き、香奈は階段を上がっていく。
そんな香奈の後ろ姿をぼんやり見ていた俺の目に香奈のスカートの中身が飛び込んできた。
うわ―――――――!!
ワザとか!?
ワザとなのか!?
そんなミニスカートはいて階段上がったら丸見えじゃねーか!
俺は香奈に気付かれないよう慌ててリビングに逃げ込んだ。