僕が殺ったんだ-2
気付くと僕は銃を手にしていた。
あの方を殺して、一緒に死のうとしたんだ。
そしたら、あの方も銃を構えた。
僕と反対の利き手にそれを持って。
僕は泣いた。
あの方も泣いた。
後ろの男は微動だにしなかった。
パンッ―
銃声が響いた。
流れ弾が当たったのか、ガラスの割れる音がした。
僕は生きていた。
あの方とあいつは、もうそこにはいなかった。
死んだ筈のあの方がいない。
死んだあの方に寄り添うように、自殺しようとしていたのに。
僕はどうやっていなくなればいいんだ。
死刑にしてもらえばいいんだ。
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彼の部屋には、割れたガラスのようなものの破片が散らばっていた。
彼は無罪になった。