春に囀ずる-5
目を閉じたまま、イヤイヤと首を振り続ける。
「じゃあいらない?」
ハルがささやいた言葉に思わず顔をみた。
妖しいくらい楽しげに光った目が期待するようにこっちを見てる。
赤い舌が餌を待ちきれなくて自分の唇を潤わすように這ってる。
オトコの顔、してる
全部食べちゃう顔
残さず貪って、骨までしゃぶっちゃうみたいな
オトコの顔……
初めてみたハルに怯んで、思わず外した視線を絡みとられて、もう一度。
「言ったら、あげるよ?紗英サンが欲しいもの、全部あげる」
ささやかれて観念する。
だって欲しかった。
ずっと欲しくてたまらなかった。
「ハルが…気持ちよくしてくれたから、……ぬれ、た…のぉ。たくさん、ハルが好きだから、ぬれちゃう……」
ねぇ
思ってること、言ったらくれる?
ハル全部までくれる?
「ハルが……っ!欲しくて欲しくて、くるしい〜っ…ねぇハルぅ…ゆるしてぇ?ハルが欲しいよ…っ!ハルが欲しいよぉ」
泣きじゃくりながら言う私の顔に落とすだけのキスを降らせる仕草はやさしいのに、指先はイジワルなくらいやらしい。
「これ、やぶいていい?」
薄いストッキングをつままれて、掠れた声で聞かれただけで、どうしようもなくなる。
うなずくだけしかできなくて、言葉にできない。
スカートを引き抜かれて、下はストッキングと下着。
上は着てるなんていえない、ひっかかってるだけでめちゃくちゃ。
恥ずかしいのにハルしかみえない。
ハルだけが欲しくてたまらない。
ピリ、ピリリッ…ピリッ
特別固く編み込んで秘した場所だけを暴く指先が、少し触れるだけでもジュワッて溢れてるのわかる。
ピチャッ…チュ クチュ
動かなくても、欲しがってるあそこがひくついて音が響いちゃう。
「フッ…」
「ひゃぁっ、あん…っふぁっ!」
ハルがあの近くで笑った息の熱さだけで、はしたない声がでちゃう。
イク寸前ばかりをいたぶられて焦らされ続ける体も心もおかしくなりそう。
鼻先が触れるくらい近づいて、ハルはずっとクスクス笑ってる。
「紗英サンのショーツ、ココだけ…濡れて色変わっちゃってる、ね?……ふふっ形わかるくらい濡れて貼りついてる…あ、ピクピクしてる。透けてるからかな。やらしー」
「やぁ!だっ…恥ず、かぁ…しっ、ぃんぁっ…」
恥ずかしくて逃げるように身を捩ると、そのたびに蜜が音をたてて、余計に羞恥が勢いを増す。